[フランクフルト 8日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は8日、ユーロ圏のインフレ率がECBの目標水準に下がるのは、当初の想定よりも長くかかるとの見方を示した。ただ今のところ物価高が賃金に組み込まれつつあるという証拠はないと指摘した。

ECBは16日に理事会を開催する。デギンドス副総裁は会合で、インフレリスクが「穏やかに」上振れ、従来の想定よりも低下は鈍い見通しだと認めた。

「われわれは、インフレが来年初めに低下し始め、後半に低下が加速し始め目標の2%に収れんすると確信している」とした上で「2%目標に収れんするのは、やや時間がかかるだろうが、間違いなく22年に低下するだろう」と述べた。

賃金に一時的な物価圧力が反映されつつあるという材料はないと指摘。「ただ、賃金の伸びは22年に加速が予想される。賃金の動向や賃金交渉の行方を注視する必要がある」と述べた。

サプライチェーン(供給網)の目詰まりや、新型コロナウイルス関連の規制が短期的に成長を阻害する可能性があるものの、影響は長引くことはないとの見方を示し「成長要因は中期的に非常に強固だ」と述べた。