自社開発技術満載!Microsoft Azureの物理インフラを大解剖 (1/3)
コメント
注目のコメント
良記事なので支援コメント。
1ページ目。
PUEが1に近づくほど空調に電力を使わずに演算に電力を使える指標。例えばGoogleは2008年頃はPUE 1.21ぐらいだったのが、どんどん下がって2013年頃はPUE 1.12ぐらい、現在はPUE 1.10ぐらいだそうです。さくらインターネットの石狩データセンターも外気を使ってPUE 1.1xを達成しているそうです。
記事にも出てくる海底データセンターは2010年代前半からマイクロソフトが実験しています。ハードウェアが故障しても交換せずにしばらくしたらコンテナごと総取っ替えするコンセプトです。
2ページ目。
今でこそマイクロソフトはクラウドの会社と思われてますが、Bingなどのためのデータセンターも昔から持っていて、FPGAも研究されてきました。2014年にはFPGAでBingのサーバーを半分にした論文も出ています。記事中のFPGA間低遅延通信プロトコルの話はおもしろかった。最近だとNVIDIAがデータセンター向けASICでネットワーク処理や暗号処理など標準的な処理をCPUから逃がすのを発表してて、今後トレンドになりそうですが、その前段階にはマイクロソフトのこういった試行錯誤があるのだと想像できます。
3ページ目。
Open Compute ProjectはFacebookが立ち上げた、データセンターのハードウェア設計仕様などを共有して進化を促そうというもの。Googleやアリババも参加しています。プロプライエタリで独占的な企業が出た後に2位以下がOSSを盛り上げて対抗する流れは昔からソフトウェアの世界ではありましたが、最近はハードウェアでもそういう流れが観測されます。本記事は2017年のものであることに注意して読むことになりますが、第5世代のデータセンターは再エネ導入が大きなテーマになっているようです。
2010年の記事から推測するので、最新のデータセンターにおけるサーバーの液浸や水素の活用、つまり燃料電池の大規模な導入については、第6世代以降の話になると推測されます。
因みに2009年に第3世代のコンテナ型(40ftコンテナ)、第4世代のモジュール型(20ftコンテナ)についてのMicrosoftの動向が報告されています。
第5世代は冷却技術の進歩があり、コンテナ型ではなくなったということですが、2017年の発表では、データセンターが巨大化した様子が伺われます。
カーボンネガティブを宣言したMicrosoftのデータセンターの未来は再エネ水素で常時稼働させることになることは間違いないでしょう。
データセンターの物理インフラもIOWN構想のように、光電融合技術が採用されていくかもしれません。
もはや10年後を笑って想像することは無意味だと言えないと思います。
10年後のデータセンターのありようは、海底ケーブルも含めて、マルチコアの光ファイバーのみならず、低軌道衛星の活用など宇宙空間も含めた、壮大な構想力が不可欠なビジネスとなるでしょう。
◎2010年の記事
「データセンターは寒冷地が適しているという常識を覆す」、Microsoft・リード副社長
MSR エクストリーム・コンピューティング・グループの取り組みを聞く
https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/interview/398641.html
◎2009年の記事
PDC 09資料で見る、2010年のMicrosoftの動き【第三回】
コンテナ化されるデータセンター
https://enterprise.watch.impress.co.jp/docs/special/336037.html
◎2017年の記事
インフラは怪物級? マイクロソフトのAzure
https://business.nikkei.com/atcl/report/15/061700004/110100229/なるほど、TCPが重いからFPGAの前処理付きSmartNICでやっぱり内部でもHyper-V使ってるのか。更にUDPの低遅延FPGA間通信を構想していると。ソフトウェア会社だからストレージやL3スイッチも自社開発ソフトだと。