[ロンドン 2日 ロイター] - 英市場監督当局は、改正上場規則を3日に導入すると明らかにした。ニューヨーク(NY)との競争、欧州連合(EU)との競争激化に対応するため、世界的な上場拠点としての役割を高める。

改正上場規則は今年に入ってパブリックコメントを募集していた。

改正規則では、企業の創業者が一定期間、経営支配の度合いを維持できる二重株式構造を認める。ニューヨーク市場では複数種類の株式発行が可能で、多くのハイテク企業が上場先に選ぶ要因となってきた。

浮動株比率はこれまで最低25%となっていたが、10%に下げる。最低時価総額は、上場先が「プレミアム」、「スタンダード」のどちらでも70万ポンドから3000万ポンドに引き上げる。

今回の改正の一部については、株主保護が弱まることを懸念する投資家グループから反対が出ている。

しかし、英政府は「シティー」を上場拠点としてニューヨークに追い付き、アムステルダムなどのEUの金融センターとの厳しさを増す競争に対応することを重視。

英金融行動監視機構(FCA)の市場監督部門の責任者クレア・コール氏は「進化する市場のニーズに応えるため行動する必要がある。今回の改正は、英市場のダイナミズム面の評価を維持し、経済成長をけん引する新たなタイプの企業の資金調達を支援し、投資家には適切な保護で選択肢を広げることを確実とする」と述べた。