Facebook × M&A
Facebook買収戦略 20の事実
2014/10/2
Google、Facebook、Amazon、Apple。 インターネットにアクセスする上で、これら4社のサービスを使わない日はおそらくないだろう。そんな「ネット四天王」を、買収戦略・財務状況・組織論……、あらゆる角度から分析する。
2回目となる今回は、FacebookのM&A戦略について見ていこう。ターニングポイントは、2012年5月の上場だ。
2014年の傾向から見る、Facebookの狙い
(1)新しいコミュニケーション領域へ
Snapchatの買収失敗、その後のWhatsApp買収は、「次のFacebook」をめぐる動きが加速していることを示している。WhatsApp買収は、Google、Amazon、Apple、他3社の買収事例を含めても、史上最高額の買収だ。Facebookは、自社サービスの直接の競合を取り込むと同時に、「次のFacebook」がGoogleをはじめとする競合他社へ流出することを防いだと言える。
FacebookのCEOザッカーバーグは、2014年3月、同社の向こう10年にわたる最大の優先事項は「すべての人を繋ぐことである」と明言した。その目標を短期的に置き換えた際、「メッセージサービスが重要になる」と言う。
(2)インターネットのインフラ拡充
2013年8月、ザッカーバーグは、全世界にインターネット環境をもたらすことを目指す団体「internet.org」を設立した。彼にとって、インターネットに接続できることは、「基本的人権」である。既にフィリピンなどでは、ユーザーが無料でインターネットに接続できるよう、Facebookを利用する際の通信料を負担する取り組みを進めている。
この領域における最大の競合はGoogleだ。Googleも、空中から無線インターネットを飛ばすProject Loonによって、インフラ拡充を目標に掲げている。狙っていたソーラー駆動型ドローンTitan AerospaceがGoogleに買収され、代わりにAscentaを買収したことを見れば、この分野における買収競争が激化していることは明らかだろう。
(3)新しい「世界を理解する方法」の獲得
Oculus VR買収に際して、ザッカーバーグは「世界を理解すること」に関係していると言及している。AR・VRによって「理解」した世界の見え方、そのビッグデータを人工知能によって解析し、Facebookのフィードに反映させることは、「直近で注力している領域だ」と語る。
(インフォグラフィック編集 櫻田潤・荒川拓)
参照
- Business insider
- Reuters
- TechCrunch
- The Guardian
- The Wall Street Journal