[ワシントン 30日 ロイター] - コンファレンス・ボード(CB)が30日に発表した11月の米消費者信頼感指数は109.5と、前月の111.6から低下し、2月以来の低水準となった。市場予想の111.0も下回った。

生活費の上昇や新型コロナ疲れが消費者信頼感への重しとなっているが、第4・四半期に成長が加速するという見通しに変更はないもよう。

インフレ高進が消費者の購買動向に影響し始めている様子が浮き彫りとなった。今後6カ月に住宅のほか、自動車やテレビ、冷蔵庫などの高額商品を購入することに消極的な姿勢が示された。供給不足やそれを受けた価格上昇が影響している可能性が高い。

一方、労働市場に対する明るい見方は維持された。職が十分とみる向きと就職が困難とみる向きとの差は46.9と、前月の43.8から拡大し、過去最大に達した。この指標は労働省が発表する失業率と相関性がある。

ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ライアン・スウィート氏は信頼感指数の低下について、「支出と信頼感の関係は緩いため、短期的には懸念の要因とはならない」と指摘。「労働市場に関する消費者の見方が11月に改善したことは雇用の伸び加速を示唆し、朗報だ」と述べた。

1年先の期待インフレ率は7.6%と、前月の7.1%から上昇し、2008年6月以来の高水準となった。

ブリーン・キャピタルのシニア経済顧問、コンラッド・デクアドロス氏は「これらのデータは、一般市民のインフレ期待が抑制されなくなりつつあることを改めて示している」と述べた。

今回の調査は、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」出現前に実施された。

エコノミストはデルタ株とオミクロン株双方の影響で消費者信頼感が一段と低下すると予想しているが、第4・四半期の経済成長率については強気の見通しを維持している。

オックスフォード・エコノミクスの米金融担当チーフエコノミスト、ナンシー・バンデン・フーテン氏は「現時点でオミクロン株による成長への悪影響は軽微とみている」と指摘。「第4・四半期の実質国内総生産(GDP)成長率は7.9%、消費者支出の伸びは実質6.5%と引き続き予想している」と述べた。