生きたロブスターゆでないで 「苦痛感じる」―法改正へ英調査
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日常的な意味における「痛み」が、どの動物まで存在するのかという問いは、他人の痛みすら証明できないことを考えても、究極主観的でしかありえないので本来科学的に証明不可能だが、生物学の世界ではもう少し別の意味で定式化されている。
単純な反射反応である侵害受容(nociception)とは異なり、「痛み」とは身体的苦痛に加えてネガティブで複雑な感情状態を伴うもので、一般に非常に複雑な神経系を必要とすると考えられている(Treede et al., 1999)。つまり、痛みには、場所・質・強度を含む「識別」の要素と、ネガティブな感情状態を含む「感情」の要素の2つがある(Auvray et al., 2010)。
ロブスターが「痛い」と思っているか否かは質問できないので判別できないが、痛覚刺激によって神経中枢系の内部状態に継続的な変化をもたらし、それがネガティブな経験として後の行動に変容をもたらす事が観察できれば、それは「痛いと思った」可能性がある、あるいはそうみなせると判断する(いわゆる行動主義心理学)ということのようだ。
一般に、魚は痛みを感じず、甲殻類は感じる(Elwood, 2019)と考えられている。一部の文化では、甲殻類は痛みを感じると信じられているため、スイスやオーストラリアの一部の州では、調理する場合に生きたまま茹でることを禁じ、氷冷するなどして失神させる規制がある。
Treede et al., 1999
doi.org/10.1016/S0304-3959(98)00184-5
Auvray et al., 2010
doi.org/10.1016/j.neubiorev.2008.07.008
Elwood, 2019
doi.org/10.1098/rstb.2019.0368
ロブスターを生きたままゆでる方法が禁止に
https://gigazine.net/news/20180112-kindest-way-to-kill-lobster/
注目のコメント
英国や欧州というより、
歴史的に見てキリスト教徒は
自分達の価値観を「正義」「善」として押し付け、
異教徒や異文化を「野蛮」「低俗」と
決めつける傾向が強い様に感じます。
本来は異なる宗教や宗派にも
寛容であるべきと言う教えも
あるはずなのですけれども。
神経組織上の反応であれば、
魚類も明らかに侵害刺激に反応しますし、
植物も損害刺激に対して反応することが
報告されています。
自分達に感知できる様な
「知覚がある」物は守られるべき、
と言うのは単なるエゴでしかありません。
結局のところ、
自分達が食べたりやったりしないことを
行う異文化を「野蛮」と決めつけて
差別したいだけなのではないか、
とすら思いますね。
もちろん不必要な苦痛を与えることを
避けるべきと言うことについては
否定するつもりはありませんが、
本当に知覚ある存在を苦しめたくない
と言うことであれば、
同じ人間である他者と言う存在に対して
精神的肉体的苦痛を与えない、
と言うところから意識して欲しいですね。
この様な法律などを見ると、
異教徒や異文化の人間の苦しみより
ロブスターの痛覚の方が優先されるのか?
と言う様なことを感じてしまいます。