[フランクフルト 30日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのワイトマン独連銀総裁は30日、ECBは政府から一定の距離を置き、政府に資金を供給したり物価安定以外の目標を目指したりすべきでないと訴えた。

ロイターのドイツ語サービス50周年記念のイベントで講演した。債務を抱えた政府に資金を供給するためにECBが債券を買い続けるよう圧力を受けることへの懸念を表明した。

「(中銀は)財政政策に巻き込まれないように注意しなければならない」と発言。「国債発行残高が高水準にある中で、物価見通しが示す以上に非常に緩い金融政策を続ける圧力に警戒する必要がある」と強調した。

ワイトマン氏はまた格差是正や気候変動への対応など、物価安定以外の目標をECBが追求することに懐疑的な考えを示した。

「中銀が金融政策の責務を広く解釈すればするほど、政治に巻き込まれる可能性が高くなる」と指摘。新しい目標や要望を抱えることになり、独立性が問われると述べた。