[ブリュッセル 29日 ロイター] - 今週予定されていた世界貿易機関(WTO)の閣僚会議が延期されたことで、漁業補助金の問題や新型コロナウイルスワクチンの一段の普及に向けた動きが数カ月にわたり膠着状態となることがほぼ確実となった。

WTOは29日、状況が許せば来年3月の第1週に閣僚会議を開くことを提案したが、新たな日程は固まっていない。

シンクタンク「ジュネーブ・トレード・プラットフォーム」のエグゼクティブ・ディレクター、ドミトリー・グロゾビンスキー氏は、閣僚会議は政治の意思決定権者が一堂に会して期限を設けるため、あらゆる合意の鍵になると説明した。

その上で「これは大きな打撃だ。漁業補助金やコロナワクチンの特許権などを巡るギャップは政治的なものだ。しかし、会議の再招集が計画されており、致命的な打撃にはならない」との見方を示した。

WTOのオコンジョイウェアラ事務局長は、交渉を止めるべきではなく、ジュネーブの代表団はできるだけ多くのギャップを埋めるよう努力すべきだと強調。「この新たな変異株は、われわれに課された仕事の緊急性を再認識させてくれる」と語った。