(5段落目の4社を3社に訂正します)

[29日 ロイター] - 米国株式市場は上昇して取引を終えた。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」について、バイデン米大統領がロックダウン(都市封鎖)の再導入にはつながらないと述べ、安心感が広がった。

主要株価3指数はいずれも前週末の急落から反発。テクノロジー株の上昇に支援され、ナスダック総合が上げを主導した。感謝祭の祝日明けで半日取引となった26日は、オミクロン株の出現で経済に混乱が生じるとの懸念からS&P総合500種とダウ工業株30種は数カ月ぶりの大幅な下落率を記録していた。

バイデン氏は29日に「この変異株は懸念すべきものだが、パニックを起こすべきものではない」と述べ、オミクロン株の感染拡大阻止に向け、ロックダウンを再導入することはないと言明した。

OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「26日は感染拡大とロックダウン再導入への懸念からリスク回避の動きが大いに強まった」と指摘。しかし現在は大統領の発言や製薬会社の対応を受けて楽観的な見方が出始めていると述べた。

米モデルナ、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、独ビオンテックの3社(訂正)は29日、現行の新型コロナウイルスワクチンがオミクロン株に効かない場合に備えて、この変異株に特化したワクチンの開発に取り組んでいると発表した。

S&P主要11セクターでは情報技術が2.6%値上がりし、上げを主導。アマゾン・ドット・コムとテスラが買われ、一般消費財も1.6%高と上げが目立った。26日の急落でバリュエーションの高いテクノロジー株に割安感が出た。

個別銘柄ではマイクロソフトやアップルも買われ、S&Pを押し上げた。アップルはHSBCが目標株価を引き上げたことが好感された。

製薬大手メルクは5.4%安と続落し、ダウを圧迫した。26日に発表した新型コロナウイルス経口治療薬「モルヌピラビル」の更新データで、入院や死亡を減少させる効果が以前の報告よりもかなり低いことが分かった。

モデルナは11.8%高、ファイザーは3%安、J&Jは0.34%高。

半導体株に買いが広がり、フィラデルフィア半導体指数は4%上昇。エヌビディアが5.9%高と指数を押し上げた。

テスラは5%高。マスク最高経営責任者(CEO)が納車コストを削減するよう従業員に促したとの報道が材料になった。

ツイッターは一時の上昇から下げに転じ、2.7%安で終了。同社はドーシー最高経営責任者(CEO)が退任すると発表した。

ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.31対1の比率で上回った。ナスダックでは1.35対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は111億3000万株。直近20営業日の平均は108億4000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 35135.94 +236.60 +0.68 35017.71 35287.91 34895.89

前営業日終値 34899.34

ナスダック総合 15782.83 +291.18 +1.88 15719.42 15833.11 15644.62

前営業日終値 15491.66

S&P総合500種 4655.27 +60.65 +1.32 4628.75 4672.95 4625.26

前営業日終値 4594.62

ダウ輸送株20種 16362.01 +146.36 +0.90

ダウ公共株15種 920.57 +13.62 +1.50

フィラデルフィア半導体 3910.54 +153.41 +4.08

VIX指数 22.96 -5.66 -19.78

S&P一般消費財 1639.09 +26.22 +1.63

S&P素材 544.19 +2.67 +0.49

S&P工業 872.81 +2.05 +0.24

S&P主要消費財 752.33 +3.89 +0.52

S&P金融 645.94 +2.01 +0.31

S&P不動産 302.34 +3.98 +1.33

S&Pエネルギー 421.22 +2.48 +0.59

S&Pヘルスケア 1540.15 +5.80 +0.38

S&P通信サービス 268.96 +2.98 +1.12

S&P情報技術 2985.41 +76.78 +2.64

S&P公益事業 342.60 +5.28 +1.56

NYSE出来高 10.47億株

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 28330 + 110 大阪比

シカゴ日経先物12月限 円建て 28330 + 110 大阪比