[29日 ロイター] - 米感謝祭後に展開されるインターネット通販の大規模セール「サイバーマンデー」が29日始まった。今年は世界的なサプライチェーン混乱に伴う商品不足や値引きの減少などが響き、売り上げは前年比でほぼ横ばいとなる公算が大きい。

アドビ・デジタル・エコノミー・インデックスによると、今年のサイバーマンデーの米消費額は東部標準時午後9時(日本時間30日午前11時)時点で70億ドルを超えた。

アドビは現在、消費額は104億─111億ドルになると予想。太平洋標準時午後7─11時(日本時間30日午後0─4時)の消費額は25億ドルに達すると予測している。

これまでの予想は102億─113億ドルだった。中間点で見ると、昨年の108億ドルとほぼ変わらない水準にとどまる見込み。昨年は前年比約15%増だった。

サイバーマンデー前後のソーシャルメディア上の興奮も薄れている。

セールスフォースのリテール部門ゼネラルマネジャー、ロブ・ガーフ氏は「サイバーマンデーは、特にデジタルの世界では引き続き極めて重要な意味を持っているが、その話題性はここ数年で見たことがないほど低くなっている」と述べた。

アドビの最新のデータによると、米年末商戦の幕開けとなる「ブラックフライデー」のネット通販の消費額は約89億ドルと、前年の90億ドルから減少。ネット通販の減少は初めて。

小売各社が利益率の確保やクリスマスに向けた適切な在庫管理を目指し、販促セールの期間を集中させず、数週間にわたり展開していることも影響しているもよう。

セールスフォースによると、サイバーマンデーまでの1週間の米国での値引率は前年比平均で8%低かった。

マスターカードのスペンディングパルスが公表したデータでは、26─28日の実店舗を含む米消費額(自動車除く)は前年比14%増加。ネット通販の消費額は前年同期比で5%増、19年同期比で28.7%増加した。