2021/12/2

【猪子寿之】会社で働く意味?「独りでは世界を変えられないから」

NewsPicks / JobPicks 編集部
そもそも、なぜ私たちは就活をするのか──。
「Z世代の就活」特集Part2は、 当たり前すぎてスルーされてきた、就活・キャリアの「そもそも」に切り込んでいく。
就活は何のためにあるのか。働く意味とは何か。
多様性の時代。就職をせず学生起業をしたり、フリーランスとして社会人生活を始める人も珍しくなくなった。
本当にやりたいことがあるなら、就活に時間を費やすより、独学でスキルを身に付けて働いたほうがいい​​。そういう考えも決して間違いとは言えない。
だが、チームラボ代表の猪子寿之氏は「働き方が自由になっても、僕は絶対にチームに入って仕事がしたい」と語る。
自身は学生時代に就活をせず、東京大学を卒業後に起業した身だ。にもかかわらず、組織に属するのを勧めるのはなぜか。会社と個人の理想的な関係とはどんなものか。
デジタル技術を使ったアートを世に広め、新たなムーブメントを生み出す異端児の話に、耳を傾けてみよう。

入りたいと思える会社がなかった

僕が初めて、働くことをぼんやり意識し始めたのは高校卒業くらいの時期です。
高尚な志や、やりたい仕事があったわけではありません。大人になんてなりたくないけど、もうすぐなっちゃうんだよな、大学出たら働かなきゃな、くらいの感覚でした。
ちょうどその頃、たまたま雑誌で見た日本の時価総額ランキングに、驚いたのを覚えています。ランキングの上位は、元国営企業や財閥系の銀行ばかり。新しいものや価値観なりを生み出している会社が、一つもないと感じたんです。