2021/11/30

千代田化工、日揮も頼る数学者CEO。地味なプラントDXが熱い

NewsPicks スタートアップ
プラントのDXを手掛けるスタートアップ、アレント(Arent)をご存じだろうか。今月、19億円の新たな資金調達を発表した。
元々の顧客だった千代田化工建設や日揮ホールディングスなど老舗のプラント建設大手などとタッグを組み、職人芸に頼った業界のデジタル化を推進しているのだ。
一見地味だが、重厚長大産業を生まれ変わらせるため、世界でも注目を集めるJV(ジョイントベンチャー)という戦略も使いこなす。
起業した鴨林広軌CEOの経歴もまた異色だ。メガバンク、グリーのゲームエンジニアを経た、京大数学科出身なのだ。
INDEX
  • 「変な設計」を排除する
  • 数式に職人の暗黙知を落とし込む
  • エアバス・モデル
  • 日揮とプラント内ストリートビュー
  • 市場規模は1.5兆円
  • 数学科→金融→ゲーム→起業
アレントはプラントの配管設計ソフトを千代田化工建設と共同で開発し、SaaS形式で石油化学会社などに提供する。最近は半導体関連工場や水処理工場にも顧客層が広がる。SBIインベストメントなどへの第三者割当増資で12億円、金融機関からの借り入れで7億円を調達したと11月24日に発表した。これまでの累計調達額は29億円。