2021/11/30

【ハラミちゃん】自分らしく働くために見つけた「2つ目の武器」

株式会社NewsPicks 特約記者
「Z世代の就活」特集はこれまで、オンライン採用の定着や、学生のキャリア観の変化、就活情報のオープン化などにより、就活スタイルが多様化していることをリポートしてきた。
本日から4日連続で配信するPart2では、そもそも、なぜ私たちは就活をするのか──。
当たり前すぎてスルーされてきた、就活・キャリアの「そもそも」に切り込んでいく。
就活は何のためにあるのか。働く意味とは何か。
本稿では、即興で奏でるストリートピアノの動画が人気を博し、いまやチャンネル登録者数が180万人を超える人気YouTuber・ハラミちゃんが登場。
4歳からピアノを始め、小学1年生でピアニストを志すも、音楽の道で生きていくことを断念したハラミちゃんには、ピアノを離れて会社員として過ごしていた期間がある。
彼女に「会社員の経験が現在に生かされているか」と尋ねると、「会社員の経験がなければ、いまの私は存在しません」と話す。
一度は夢を諦め、企業で働いた経験は、彼女にどのような影響を与えたのだろうか。
100社以上の説明会に参加し、社員を出待ちしてOB訪問。アクティブな就職活動と会社員生活を通じて「自分らしく働く」ことへの答えを見つけたハラミちゃんに、仕事で「自分らしさ」を発揮するためのヒントを聞いた。

ピアノに生きていた、私の22年

「勉強や部活は捨てて、音楽の道で食べていくんだ」
小学1年生のとき、通っていた音楽教室の先生から音大受験に関するテキストを手渡され、初めてピアニストとして働く将来を意識しました。
音楽の才能が飛び抜けてあったわけではありませんが、すでに自分のアイデンティティはピアノでした。友だちからも「ハラミちゃん=ピアノの子」という認識を持たれていたと思います。
学校以外で友だちと遊んだ記憶はほとんどありません。ポケモンもよく知らないし、ジブリ映画も観たことがない。学校がお休みの週末でさえ、食事以外の時間はピアノに費やしてきました。
当時から今日まで、ピアノは私の人生そのものであり、心の支えです。それくらいピアノに向き合って、数え切れないほどの時間を鍵盤の前で過ごしてきました。
小学3年生の頃、夏休みの宿題でも「ピアニストになる将来像」を描いていた(写真:本人提供)
それでも、ピアノで食べていける実力と勇気が身に付くことはありませんでした。