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雇用保険といっても、記事にあるように、失業等給付と雇用調整助成金を含む雇用保険2事業がある。平時には、保険のリスクに鑑み、失業等給付には国庫負担(税財源)があるが、雇用保険2事業には国庫負担はない。だから、雇用調整助成金の財源は保険料が基本となる。

しかし、今般のコロナ禍で、失業率はあまり上がらず国庫負担のある失業等給付を出さずに済んた半面、国庫負担のない雇用調整助成金はそのための積立金が枯渇するほど巨額の給付を出した。そして、積立金が枯渇したので、異例な形で国庫負担を出した。

平時と危機時の区別なく雇用調整助成金に国庫負担を出せるようにしてしまうと、失業等給付にも国庫負担を出しているから、のべつ幕なく雇用保険に国庫負担を出してしまうことになり、リスクに備えた保険ではなくなってしまいよくない。

そもそも、長期にわたり雇用調整助成金を出す状態というのは、失業に近い状態なのだから、失業等給付で対応しても良かったものであり、失業等給付には国庫負担がある。

今後は、どんなリスクに国庫負担のある失業等給付を出し、また別のどんなリスクに国庫負担のない雇用調整助成金を出すのか、きちんと整理しないといけない。その整理なくして、危機時の国庫負担はありえない。
新型コロナウイルス禍が猛威を振るった昨春、米国では失業率が4%弱から15%に駆け上がりました。日本では失業率は3%前後で殆ど上がらず、100万人台だった社内失業状態の休業者が一気に6百万人に増えました。600万人と言えば失業率に換算して10%程度に相当します。
厚労省は雇用調整助成金の対象人数を公表していないようですが、失業率にして2%程度にあたる社内失業状態の従業員を平時でも企業が抱え、新型コロナ禍でそれが一気に増えたのが、雇用調整助成金と解雇規制の組み合わせがなせる業であったことは想像に難くありません。
米国はコロナ禍を奇禍として仕事が減った産業から仕事が増えた産業に人材が動いて賃金を上げながら失業率を下げて行きましたが、日本は残業を減らし賞与を下げ出向先を捜して仕事を分け合いながら社内失業者を減らしていきました。短期的には失業を生まず企業と従業員に優しい仕組みですが、こうしたことの繰り返しが日本の産業構造の転換を妨げて日本を衰退に追い込み、数十年間に亘って賃金を低迷させる結果になったのです。
企業に補助金を払って解雇させない雇用保障の仕組みの周囲には、企業への影響力、官製の職業斡旋、職業訓練等々、様々な利権が絡んでいるようですが、人員調整を企業の任意に任せ、企業を離れた従業員を手厚い失業給付等で守る雇用保障の仕組みに変えると、そうした利権の構図が変わります。従業員も、流動的な雇用市場を前提に働く覚悟を問われそう。しかし、そこが変わらぬ限り、政府がいくら税金をばら撒いて賃金原資を補填して賃上げを要請しても、日本の賃金は中長期的に増えません。
少子高齢化で労働力不足が顕在化するいま、変化の時代に欠かせない雇用の流動性を阻害する雇用調整助成金は廃止を含め見直すべき時に来ています。国費を投入してこうした制度を恒久化することに疑問を覚えます。危機時に国費を投入して救うべきは、職場を離れた従業員の側であるべきです。