[ウィニペグ(加マニトバ州) 26日 ロイター] - カナダの環境対策監視機関は26日に公表した報告書で、トルドー政権の気候変動対策は一貫しておらず、不十分だと批判した。

カナダは、温室効果ガスの排出削減目標を達成したことがない。2015年から続くトルドー政権は、2030年までに温室効果ガス排出量を2005年比で少なくとも40%削減し、2050年までに排出量を実質ゼロとするカーボンニュートラルを目指している。

カナダの「環境と持続可能な開発に関する委員会(the Commissioner of the Environment and Sustainable Development)」は、「過去30年間にカナダは気候変動対策のリーダーから他の先進国から遅れをとる国に後退した」と指摘した。

政府が2018年に、環境団体などの反対にもかかわらずトランスマウンテンパイプラインの拡張工事を終わらせるために同事業を取得したことは、「温暖化対策公約に向けた進展と政策が一貫していない一例だ」と説明した。

さらに、温暖化ガスの排出を抑えることを目的とする政府の「排出量削減基金」プログラムについては、石油・ガス会社を支援する一方で持続可能な排出削減を確実にするように策定されておらず、金額に見合う価値がないとの見方を示した。