2021/11/26

【省エネ住宅】「皆が快適」という発想が、住まいを変える

NewsPicks編集部
まるで預言者のように、新しい時代のムーブメントをいち早く紹介する連載「The Prophet」。今回登場するのは、建築とエネルギーの専門家である東北芸術工科大学の三浦秀一教授だ。
このところ「世界的なエネルギー価格の高騰」と、それに伴う「光熱費の上昇」というトピックが連日ニュースをにぎわせる中で、改めて「住まいの省エネ」に対する関心も高まっている。
日本で「省エネ」というと、照明をこまめに消したり、エアコンをなるべく使わないようにしたりといった「ケチケチ型」の対策をイメージする人が多い。一方、欧米では「建物の性能や設備の性能を上げる」ことを指す──と三浦氏は指摘する。
その究極の形が、「省エネ」と「再エネ」の2本立てでエネルギー自給率100%を目指す「ゼロエネルギー住宅」だ。
前編では、三浦氏の近著『研究者が本気で建てた ゼロエネルギー住宅』(農文協)の内容をもとに、ゼロエネルギー住宅の知られざる「快適さ」を紹介した。
日本で省エネというと、「ケチケチ型」の節電が推奨されがちだが、省エネと「暖かくて快適な暮らし」が両立するという発想は、これからの時代のスタンダードになるだろう。
この後編では、三浦氏へのインタビューを通じて、都市部に多い「集合住宅」や「中古住宅」を省エネ化、ゼロエネルギー化するポイントに迫る。
INDEX
  • 省エネ住宅のカギを握るのは「窓」
  • 「マンション全体」を巻き込む
  • 耐震と断熱の工事を一気に敢行
  • 「ゼロエネルギー集合住宅」も登場
  • 賃貸の物件情報に「省エネ性能」を