サムスン、米国に半導体工場新設 2兆円投資を発表
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サムスンが米国で生み出す半導体の価値は米国のGDPで、米国の成長に寄与します。かつて米国南部に駐在した時、多くの日本企業が米国で生産して米国のみならず世界に販売する姿に瞠目したことがありました。あろうことか、日本企業が米国で生産して太平洋と日本を飛び越えて、隣の韓国に自動車を売っていた。その韓国にも日本のメーカーが沢山進出して世界に販売し、日本に輸入もしています。
今では日本より賃金が高いとされる米国や韓国が外国企業を引き付けるのに、今でもGDP世界第三位の日本にだけは外国企業が進出して来ない。逆に日本企業が外国に出て生産するのが実情です。彼我の経済成長力に大きく差がつく所以の一つです。
如何に金融を緩和しようが財政支出で景気を刺激しようが、この問題を解決しない限り日本に中長期的な成長力は戻りません。そういう意味で、目を引く記事ではありました。米国にはサムスンのお客がたくさんいます。ファブレス半導体メーカーも、それを使うシステムメーカーも、そしてシステムを使うサービスメーカーも大勢います。だからサムスンが米国に工場進出することはごく自然なんです。
しかし日本には半導体を使う客がいません。1980年代、90年代まではテレビやVTRなど半導体ユーザーが大勢いました。しかし、今では半導体子欧入企業トップテンランキングには日本企業は1社もいません。日本に半導体工場があっても日本には半導体を使う顧客がいないのです。
じゃ、どうする？製造だけを請け負うファウンドリが適しています。ファブレスやシステムメーカーが作りたければ製造だけを請け負うファウンドリサービスをビジネスにすればよいのです。半導体を使うユーザーは米国に大勢います。米国で注文を取り、設計データをインターネットやブロックチェーンで日本へ送り、日本で製造だけを行い、パッケージングやテストもサービスしてやればよいのです。
日本でブランドのあるファブレスは無理でしょう。半導体ユーザーという顧客を取れないのですから。もっとも売り上げの高い企業でさえ、年間1000億円しか売り上げられません。ファブレスランキングの10位の企業でさえ1500億円くらいの売り上げがあります。様々に考えさせる記事です。
日本より賃金が高い韓国企業が、更に高い米国に半導体工場新設。
外国人労働者を自由に雇用できない環境下、敢えて日本人派遣労働者を疑似外国人労働者並みの賃金にしたにも拘わらず、国内で新設工場に投資が少ない。
さらに、円安傾向で輸出企業が其れなりの利益を出している筈だが、従業員（国民）への還元が悪い。
既に、往年の輸出企業・産業（工場）そのものが国内に存在しないのかな？
折角日本人の賃金が安くなっているのに！！
