2021/11/23

【警鐘】リモートと出社の「ハイブリッド勤務」がもたらす混乱

INDEX
  • 減り続ける「リモート勤務」
  • リモート派もオフィス派も「不満」
  • ハイブリッドがいちばん難しい
  • ハイブリッドで損をするのは女性
  • 会社からZOOMという「ムダ」
  • オフィスを借りるのは「賭け」
  • 「どっちつかず」は成り立たない

減り続ける「リモート勤務」

何カ月もの間、ミニチュアゴルフのコースは誰にも使用されなかった。ビーンバッグ・チェアでくつろぐ人もいなかった。キッチンに掲げられたホワイトボードの「生ビール」という文字は消えそうになっている。それは2020年3月のハッピーアワーのときのもので、当時はボードの下にビール樽が設置されていた。
だが最近、その共用エリアに人の存在を示すものが戻ってきた。焼きたてのベーグルだ。
フィンテックのスタートアップ、コモンボンド(CommonBond)の従業員たちは、新型コロナのワクチンを接種した。自宅に閉じ込められて頭がおかしくなりそうだった彼らは、少しずつオフィスに戻り始めた。
「私たちは『オフィスワークの水曜日』と呼んでいます」。ニューヨーク市のソーホー地区に約1400平方メートルの日当たりの良い建物を所有する同社で、人事部門を率いるケリン・コッホはそう語った。
アメリカのビジネス界ではある時点で、「秋はオフィス再開のとき」というコンセンサスが行き渡っていた。デルタ株の流行で、オフィス復帰計画は強制から任意に変わったものの、労働統計局によると、それでも多くの人が職場に戻った。
新型コロナの影響で、リモートで働く従業員の割合は2020年5月に35%でピークに達したが、今年10月には11%に低下し、パンデミック開始以来最低水準となっている。
(Klaus Vedfelt/Getty Images)

リモート派もオフィス派も「不満」