[ムンバイ/ニューデリー 18日 ロイター] - インド政府は投資家による暗号資産(仮想通貨)保有を阻止するための規制強化を検討しているが、民間のデジタルコインを禁止するという従来の計画を実行に移すことはなさそうだ。事情に詳しい関係筋2人が明らかにした。

その代わり、政府が事前に承認したものだけを取引所に上場して取引できるようにする可能性があるという。

1人目の関係筋は「政府によって承認されたコインのみが取引可能で、それ以外のコインを保有したり取引したりすると罰せられる可能性がある」と述べた。

政府は今月から始まる議会で仮想通貨法の導入・可決を目指している。

インドのモディ首相は18日、ビットコインなどの仮想通貨が「悪人の手」に渡らないように民主主義国が協力する必要があると訴えた。

2人の関係筋によると、仮想通貨取引を抑制するために多額のキャピタルゲイン課税などが課される可能性がある。

ある政府高官は「(投資家は)これまでに得た仮想通貨の利益に対して40%以上を支払わなければならないだろう」とし、キャピタルゲイン課税に加えて、物品・サービス売上税や証券取引税が課される可能性があると付け加えた。

財務省からはコメントを得られなかった。

2人の関係筋によると、政府は仮想通貨を通貨としてではなく、仮想通貨取引所が求めているように資産クラスとして分類することを検討している。

しかし、政府高官はロイターに対し、計画は新しい中央銀行デジタル通貨(CBDC)への道を開く一方で、最終的には民間の仮想通貨資産を禁止するのが目的だと語った。

民間の仮想通貨に「深刻な懸念」を表明しているインド中銀は、12月までにCBDCをローンチする予定だ。

公式データはないものの、業界推定でインドには1500万─2000万人の仮想通貨投資家がおり、暗号資産の保有総額は約4000億ルピー(53億9000万ドル)に上るとみられている。