2021/11/23

【JT新貝】なぜ私は「スタートアップ支援」に人生を懸けるのか?

ユーザベース INITIAL シニアアナリスト
元国有企業で、最も成功した会社──。日本たばこ産業(JT)は今や、世界3位のたばこ会社としてその名を轟かせている。日本初のグローバル企業として、有数の存在だ。
その快進撃の立役者のひとりが、新貝康司氏だ。
新貝氏は、まだ国営だった1980年に日本専売公社に入社してからすぐに頭角を現し、96年に全社経営企画・財務戦略を担うようになる。
そこからJTは、新貝氏ら中堅幹部を中心に海外企業の買収や将来的なたばこの需要減を見越したリストラなどに乗り出し、グローバルカンパニーに飛躍を遂げた。
11年には代表取締役副社長に就任し、社長の小泉光臣(当時)とともにJTの黄金期を築き上げた。もし新貝氏らが海外に出ていかなければ、現在のJTの地位はなかっただろう。
その新貝氏は今、スタートアップの支援に熱を注いでいる。18年には代表取締役を退任し以降、大企業の社外取締役を務めつつ、今年12月に上場予定のエクサウィザーズをはじめとするスタートアップやベンチャーキャピタルの経営陣にも加わっているのだ。
日本有数の名経営者が、なぜスタートアップに携わっているのか。新貝氏の景色から、スタートアップの意義を語ってもらおう。
INDEX
  • スタートアップ支援が「目標だった」
  • 「Japan as No.1」の弊害
  • スタートアップの首を締める大企業
  • 「頭脳資本」をリスペクトせよ