長びくコロナ禍――現場から見える10代の困窮「必要なのは継続的な支援」(Yahoo!ニュース オリジナル 特集)
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>「コロナ禍による制限で、飲食店は休業、イベント関係も中止になりました。アルバイト代が減少して、学費に充てるつもりだった奨学金に手をつけている大学生が目立ちます。そういった状況で、家賃や携帯代、水道光熱費を滞納したり、借金をしたりしている子は多い。当然、食事の回数を減らしている子は多いですね」
「D×P」によると、支援している若者の約6割が、公共料金の滞納や借金を抱えているのが現状だ。ひとり暮らしの大学生の場合、クレジットカードのリボ払いでしのいでいたケースもある。親に頼ることができず、仕事も見つからずに多額の借金していた10代もいた。
「これまでは親の仕送りに頼らずに、バイトで10万円くらいの生活費を稼いでいた大学生もいます。彼らはバイトがなくなるだけで生活が成り立たなくなってしまう。全国から相談は寄せられていますが、今年に入って深刻化していますね。メンタルを崩してしまう子も増えてきました」
新型コロナの第5波は落ち着き、国内のワクチン2回接種率は7割を超えた。少しずつ日常が戻ってきたように思えるが、今井さんは「若者へのコロナ禍の影響は長期に及ぶ」と見通す。
「これだけ若年層が長期的に打撃を受けたのは、終戦直後をのぞけば、戦後初といえるのではないでしょうか。1年半以上に及ぶ新型コロナの影響は大きい。借金を抱えている状況からの立て直しなので、就職や生活の安定に必要な期間は、最低でも半年、長くて2年はかかる子もいると思います」この一連の給付金騒動は、国民同士の無用な分断と対立を生じさせただけで、本当に困窮している人の救いになっていないばかりか、むしろ「無い者」として透明化した、ある種の選民政治を顕在化したものと言えます。
今日食べる物にも困るほどの困窮ではなくても、進学を諦めなくてはいけないレベルの貧困も無視できない。残念ながら、今の日本は親の年収の多寡によって進学も就職も決まる。結婚の可否にまで影響する。つまりは子どもの今後何十年に渡る将来の人生が親の収入によって運命づけられてしまうのが今の日本社会です。
とはいえ、教育費の支援という面では文科省には修学支援金や返済不要の奨学金の案内もある。高校についても高校生等奨学給付金の制度などがある。大抵の人は今あるそうした制度を知らないことが多い。行政の広報の仕方にも問題があるし、何よりわかりづらい説明で読む気が失せるのだが、そうした支援をぜひ活用してもらいたい。