ロシア、衛星破壊実験の実施認める 危険性は否定
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今回のASATの実験でとりわけ問題なのは、それが480kmという高い高度で行われたことです。
地球軌道は宇宙といってもうっすらと大気があるので、衛星もデブリも放っておけば早晩地球に落ちてきます。ですが、かかる時間は高度により大きな差があります。
高度150kmなら数時間で地球に落ちてくるので、デブリはあまり問題にはなりません。
一方、高度1000kmだと数百年かかります。
今回の破壊実験の高度は、いくつか異なる情報がありますが、高度480 km程度で行われたようです。(鈴木さんが書かれているように高度600 kmという情報もありました。)この高度だと地球に落ちてくるまでに数年かかります。
しかも、ISSの軌道は高度415km程度です。飛び散ったデブリのいくばくかはこの高度に直接飛んでくるでしょうし、そのほかのデブリも軌道減衰の過程でISSの高度を通過していきます。ISSにはロシアの宇宙飛行士もいるというのに、信じられないほど野蛮な行為です。
ちなみにロシアは、アメリカも2008年にやったじゃないかと言っていますが、こちらの高度は約250 kmでした。もちろん褒められたものでは全くありませんし、あらゆる高度でのASAT実験は禁止されるべきですが、250 kmならば数週間で軌道減衰します。
やはり、今回のロシアの実験による影響は桁違いです。10000歩譲って軍事上の必要があったとしても、どうしてもっと低い高度のターゲットを使わなかったのかと思います。全くもって理解できませんし、ロシアに弁解の余地は全くありません。高度600kmで衛星を破壊し、確認できるだけでも1500個のデブリを生み出して、ISSや宇宙活動に影響がないなんて言い放つとは馬鹿にしているにもほどがある。ロシア軍は装備を整える前に、常識を備えるべき。