[シンガポール 16日 ロイター] - アジア時間の原油先物は序盤の下げから切り返し、上昇に転じた。在庫減少を巡る懸念が相場を下支えしている。ただ、欧州で新型コロナウイルス感染が再拡大する中、需要面の不安から上値は抑制されている。

0421GMT(日本時間午後1時21分)時点で、北海ブレント先物は0.61ドル(0.74%)高の1バレル=82.66ドル。米WTI原油先物は0.54ドル(0.67%)高の1バレル=81.42ドル。

三菱商事のシニアリスクマネジャー、トニー・ヌーナン氏は「現在の原油価格なら供給は増加する見込みだが、6カ月かかるかもしれない。在庫も非常に少なくなっている」と指摘。「厳冬になり、石油輸出国機構(OPEC)の増産が引き続き緩慢なら、原油価格を押し上げる可能性がある」と述べた。

一方、コロナ感染拡大による需要落ち込みを巡る懸念も依然重しとなっている。

欧州が再び感染拡大の中心となっており、一部の国はロックダウン(都市封鎖)を検討している。中国もこれまでで最大規模のデルタ株流行に見舞われている。

石油輸出国機構(OPEC)は11日に発表した月報で、2021年第4・四半期の石油需要見通しを下方修正した。エネルギー価格の高騰がコロナ禍からの回復を妨げている。