企業物価指数10月は前年比+8.0%、1981年1月以来の高い伸び=日銀
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資源高と円安が重なって、企業物価指数の前年比の上昇率は今春3月から10月にかけて1.2%、3.7%、4.9%、5.2%、5.8%、5.9%、6.4%、8.4%と加速度的に上がっています。また、10月は輸入物価が前年比38%上昇したのに対し、輸出物価は前年比13.7%しか上がっていないのも目を引きます。
企業は、原価が急増するのに国内でも海外でも売値に転嫁しきれていない状況で、このままでは国内で活動する企業の体力が奪われます。かといってこれが消費者物価を米国をはじめとする諸外国並み押し上げたら、日本は低成長の中で物価が上がるスタグフレーションという最悪の事態になりかねません。本源的な成長力を高めるほかにそうした事態を切り抜ける道は無いように思うのですが、これまで公表された経済対策を見る限り、分配重視の“優しい政策”が並ぶばかりで本質的な成長戦略が描かれていないことが不安です。(・・;これだけ企業物価が上がっても、経済の先行きも企業収益も悲観する見方は少数派です。というのも、既に鉄鉱石や銅や用船などの市況は大きく下がっています。企業も仕入れ値が上がっても売値に転嫁できず苦しい状況かと思いきや、出張の減少など経費削減で売上高利益率はコロナ禍の前と同等です。米国企業の売上高利益率は史上最高にまで上がっています。物価がスパイラル的に上がることはなく、一時的で済みそうだ、という見立てが多いと思います。