[ワシントン 8日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長は8日、雇用はパンデミック(世界的大流行)以前の水準を回復し、インフレはすでに快適な水準を超えているとの認識を示し、FRBが示している利上げの条件は来年に達成される可能性があると述べた。

クラリダ副議長は米ブルッキングス研究所で行う講演の原稿で、FRBが「利上げを検討するにはまだ程遠い」としながらも、自身の経済通しが正しければ、「フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標引き上げの条件は2022年末までに達成される可能性がある」と指摘。その時点で金利の軌道はFRBが9月に公表した見通しに沿ったものとなり、FRBの新たな枠組みの下でのインフレ目標と最大雇用の達成に「完全に一致する」と述べた。

その上で、インフレ率はこれまでのところ、FRBが掲げる長期目標である2%を「緩やか」な状態を超えてオーバーシュートしていると指摘。労働市場については、経済の回復が進むにつれ失業率は来年末までに3.8%に低下すると予想され、パンデミック前と比べた420万人の「雇用ギャップ」は解消するとの見方を示した。