国産第1号と期待のワクチン、最終段階の治験を断念…大阪の新興企業アンジェス
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臨床第2相に相当する国内560名の中和抗体の変化に、既存ワクチンがプラセボに対してみられたような「大きな差」がなかったのだと思います。
https://www.anges.co.jp/pdf_news/public/YuBbtiRGK5R9o88o4TbmUsKKHAkZmLXC.pdf
もとより、臨床的有効性については560例のデータでは、市中感染率を考慮すると少なすぎるためこれを証明することは困難ですが、これまでに日本政府との話し合いで「臨床的有用性のデータがなくても承認しましょう」と内示されているような報道がされています。
「塩野義のワクチン、年内に最終治験入り 6千万人分供給に前進」(産経新聞 2021年8月2日)
https://newspicks.com/news/6066595?ref=user_1310166
それにしても、記事のタイトルだけで受ける印象が変わることに驚きます。上記の記事中に、「アジュバント変更に伴う第一、二段階の治験を今月から行い、国内で3千例規模のデータを収集。その上で年内に最終段階の治験に入る。」との記述がありますが、今回のアンジェスと同じ「臨床試験の断念と改良ワクチンの臨床試験の開始」を意味していました。塩野義の報道は見出しがポジティブに書かれ、アンジェスの報道では正確に書かれている故に、アンジェスの方がネガティブな印象が強まっていますが、ほぼ同じ位置づけです。
なお、日本でのワクチン臨床試験計画は数百~3000名程度ですが、既存ワクチンと比較して無作為化二重盲検試験での臨床使用で非劣勢を出すためには3万例規模の臨床試験が必要と思われます。臨床データ(中和抗体)の変化のみなら数百で可能だと思いますが、データが好意的な候補が多く承認されることになり、安全性の担保も高いレベルではできません。そのため、主に日本で使えるだけの商品になります。
アンジェスは改良型のワクチンの臨床第1相からやり直しの目途が立ったとしています。塩野義は第2/3相に進む段階と報道されていますが、アンジェス、塩野義共に中間点での客観的な成績をほとんど公表しないため、詳細がわかりません。コロナ禍ではようやく日本で戦略的薬事行政の重要性が理解されてきました。企業に高額な助成金も入っていますが、技術の蓄積がなされれば御の字と思って見守りたいと思います。ファイザーが治療薬の開発までうまくいっている報道の裏でアンジェスのこの報道、非常に考えさせられる。
日本発のワクチンすらまだ開発できないほど創薬分野では大きな差があることを気付かされる。
今回は世界同時騒動だったので各国の総力を上げて対応し、日本もそのおこぼれをいただけたが、これがアジアだけ、日本だけのウイルスとなって、北米、欧州でも別のウイルスが広がって優先順位が下がったとしたらお手上げなんだろう。
コロナが落ち着きつつある今でこそ、次の対策を急がないといけない。
創薬だけでなく、何より医療体制とスキームと法改正は今すぐできるレベルだ。そもそも 実現性が危ぶまれていたアンジェスのワクチン 治験失敗のニュースです。記事で新興企業と表現されていますが、アンジェスは1999年創業、マザーズに上場後20年近く経過している、この業界では古株と言ってもいい存在です。
上場後、いちども赤字になることはなく、コロナ直前まで株価は低迷を続けてきました。
国は、ワクチン生産体制等緊急整備事業 として、100億円近い助成金を拠出したとされています。
国産ワクチンが大事、ということはいうまでもないことです。しかし助成金を出す際に、技術開発や治験のデザインを行う能力を本当にこの企業が持っているのかを、税金を助成する側はきちんと審査したのでしょうか。後付けでの批判というわけではなく、助成当時より進捗を危ぶむ声が上があがっている中で多額の助成に踏み切った以上、国も説明責任を問われる案件だと思います。