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ファイザー、米でコロナ治療薬の緊急使用申請へ-「圧倒的効果」

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    マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー

    約1200名が参加した臨床試験で、89%入院、死亡を減らしたというのは治療薬としては驚くような効果だと思います。メルクで50%、抗体製剤で70%という数字が示されていたのと見比べても、とても高い効果であることが見てとれます。

    ただし、これは必ずしも「メルクや抗体製剤よりも有効である」ということを示すものではありません。対象となった人や投与のタイミングなども異なるので、異なる試験から生まれた結果の単純比較というのはできません。

    この試験では、メルクと同様、60歳以上の高齢者または重症化リスクのある人が対象になっており、今後承認された場合には、適応となる人も同様の人になる見込みです。また、ワクチン未接種の方のみを含めています。ワクチン接種後の方はそもそも重症化リスクが遥かに低下するので、薬の効果への期待値は下がり、その評価もしにくくなるからです。

    これらの方がCOVID発症から3日以内に5日間薬を飲むグループと偽の薬を飲むグループに分けられ、その後のCOVIDによる入院や死亡の数が観察され、89%減少という高い効果を確認しています。

    用いられた薬は、プロテアーゼ阻害剤と呼ばれるタイプの薬(正確には2種類の薬からなる)で、これまでHIVやC型肝炎ウイルスの治療薬として同種の薬が用いられた実績があります。メルクの薬が、ウイルスの変異を促してウイルスを減らすというタイプの薬で、この作用が新たな変異ウイルスの脅威を生むのではないかという懸念が上がっているのに対して、当該薬剤にその懸念はないと言えます。

    ただし、1000人単位の比較的小さな試験での確認にとどまるので、稀な副作用の観察はできておらず、今後汎用された際に稀な副作用がどの程度生じるのかには注意が必要です。一般に薬剤の副作用のリスクというのはワクチン以上に高くなりますので、重篤な副作用が出ないかについては慎重に観察される必要があります。

    また、5日間で合計30錠、70000円程度が見込まれている薬剤ですので、多くの方が内服をスケジュール通りにきっちり守れるのかという点や、(ディスカウントは計画されていますが)発展途上国と先進国の格差を広げる可能性なども懸念材料として挙げられます。


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    専修大学 商学部教授

    企業報告によるものですが、臨床試験の成績の報告ですので、有効性と安全性の検証レベルは最高位にデザインされた試験に基づいています。報告されている数字も信頼できるものだと思います。当該医薬品は「内服」が強調されていますが、新型コロナウイルス用に開発された抗ウイルス薬です。同領域では、米メルク社が先行しています。

    体内での遺伝子の増殖を抑制する機序によるものですので、内服だからと言って必ずしも安全性が高いと結論付けられるわけでもなく、安全性の確認については、臨床試験での症例数がワクチンと比べ極端に少ないため、まれな副作用は検出できていない段階です。ワクチンの心筋炎の副反応は100万人に1名のレベルであり、この頻度のものは検出できていません。今後の検討に委ねることになります。

    ただし、非常に高い効果が見込めることは事実のようです。ワクチン未接種の成人1219人を対象とし、症状が現れてから3日ないし5日以内に服用を開始、5日間治療を行っています。発症から3日以内に服用を開始した患者の成績は、入院に至ったのはわずか0.8%で死者おらず、同じ期間にプラセボ(偽薬)を服用した患者の7%はその後、入院あるいは死亡したとのことで、この場合の有効率は、(1-(0.008/0.07))×100=88.6%となります。発症後5日以内に治療を開始した場合も同様の結果とのことです。

    記事には「途中で臨床試験が中止された」と書かれています。臨床試験中は、試験の実施者から独立した委員会が常時モニタリングしており、片方の群が圧倒的に優れる結果が出た場合は、プラセボ投与群に明らかな不利益が生じることから、同委員会は試験を早期に中止することを推奨することがあります。今回のケースはこれにあたります。(片群に副作用による不利益が多く出た場合でも中止されます)。統計的有意差も確認された上での中止勧告がされているはずです。

    同じ条件での試験でないため直接の比較はできませんが、先行するメルク社の抗ウイルス薬「モルヌピラビル」では、プラセボを投与された人の14.1%が29日目まで入院または死亡し(内8人が死亡)。モルヌピラビルを投与された385人の7.3%が29日目まで入院または死亡しています(内死亡者なし)。有効率は50%程度です。この試験でも「プラセボとの圧倒的な差」により試験が中止していました。


  • Chemical Manufacturer Chief Researcher

    すごい数字。そしてまたPfizer。
    効果を見るとかなり期待してしまいますが、何か懸念点はあるのでしょうか。そこが知りたい。先生がた!

    この薬、PF-07321332とリトナビルを併用するものらしいですが、どうやってこんな構造を思いついたのかと思ってたら、いきなり出てきたのではなくて、2003年のSARSをきっかけにコロナウイルスを標的にした3CLプロテアーゼ阻害薬の研究を進めていたのですね。
    確かにそのような記事をどこかで目にした気はしますが、いかんせん色んな薬があって、中々覚えてられない....
    せっかくなので勉強しとこうかと思います。以下めも。

    ★PF-07321332 構造
    https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/155903259

    ★新型コロナ、軽症向けの経口薬開発が本格化、国内の開発状況は?(日経バイオテク)
    https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/21/09/06/08591/

    ★Pfizerプレスリリース
    PFIZER’S NOVEL COVID-19 ORAL ANTIVIRAL TREATMENT CANDIDATE REDUCED RISK OF HOSPITALIZATION OR DEATH BY 89% IN INTERIM ANALYSIS OF PHASE 2/3 EPIC-HR STUDY
    (Friday, November 05, 2021 - 06:45am)
    https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizers-novel-covid-19-oral-antiviral-treatment-candidate

    ★PF-07321332(英語版Wikipedia 仕事が速い....)
    https://en.m.wikipedia.org/wiki/PF-07321332
    関連する参考文献あり


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