[ワシントン 3日 ロイター] - 米下院情報特別委員会のアダム・シフ委員長(民主党)は3日、バイデン政権は米国の台湾政策を巡る曖昧さを減らす必要があるとの見方を示した。アスペン・セキュリティ・フォーラムで述べた。

米国は1979年の台湾関係法に基づき、台湾に自衛手段を提供することが義務付けられているが、台湾が攻撃を受けた際に米国が軍事介入するかどうかは明確にしない「戦略的曖昧さ」と呼ばれる政策を取っている。

シフ氏はこれについて「曖昧さは大きいより小さい方がおそらく好ましい」とし、「われわれは台湾防衛義務について、より明確にする必要がある」と述べた。

また、米政府が他国と連携し、「武力で台湾侵攻・併合を試みればどれほどの代償を払うことになるか、中国に極めて明確に示す」必要があると述べた。

ロシアによるウクライナ侵攻とクリミア併合を引き合いに出し、国際的な抑止を強めなければ、「中国とロシアは今世紀に武力で世界地図を塗り替えることが再び容認されると感じるだろう」と指摘。

米国や同盟国が中国に対し、台湾攻撃が招く経済的な結果は受け入れがたいほど大きくなると理解させることが重要とし、「それが最も効果的な抑止になるかもしれない」と述べた。

米国の立場をより明確にすべきとする一方、「台湾を軍事的に支援するかどうかの議論には微妙なラインがある」とし、「台湾への武力行使に関する中国の考え方や時期を加速させるような表明はすべきでない」と述べた。

バイデン米大統領は10月、台湾が中国に攻撃されれば米国は台湾を防衛すると発言。戦略的曖昧さの立場から逸脱したかに見えたが、ホワイトハウスは直ちに、米国の台湾政策に変更はないと説明した。