2021/11/3

【最前線】Paidy買収で加速。いま「後払い決済」業界がアツい

Eコマースサイトなどで商品を買って、手元に届いてから支払いをする「後払い決済」が、日本でも大きく成長し続けている。
矢野経済研究所の調査では、一般消費者向けのEコマースサイトにおける後払い決済の取扱高は、2020年度に8800億円を超え、2021年度には1兆円を超える予測だ。
この後払い決済サービスをめぐっては、9月に驚きの買収が発表された。
アメリカの決済大手・PayPal(ペイパル)が、日本の後払い決済スタートアップ企業のPaidy(ペイディ)を約3000億円で買収すると発表した。
なぜこれほど後払い市場は成長し続け、アメリカ企業が日本企業を巨額買収したのか。日本の後払い決済業界のキーマンを取材し、最新レポートをお届けする。
INDEX
  • 「クレカ離れ」で伸びる需要
  • 国内最大手「ネットプロテクションズ」
  • 2位・GMOは「ZOZO」と組んだ
  • アメリカでも盛り上がる
  • クレカの代替狙うPaidy
  • メルカリも後払いを強化中
  • 4年度には2兆円に迫る

「クレカ離れ」で伸びる需要

そもそも、決済サービスには大きく3種類ある。
①「プリペイド(先払い)型」
  →Suicaやnanacoなど
②「即時払い型」
 →デビッドカードなど
③「ポストペイ(後払い)型」
  →クレジットカードなど
今回焦点を当てる後払い決済とは、「ポストペイ(後払い)型」の中でも、クレジットカードではない。
Eコマースサイトや通販などで買い物をして、商品とともに送られてきた請求書で支払う「後払いサービス」だ。
(写真:アフロ)
ただ、この後払いサービスのイメージは、これまで決してポジティブではなかった。「お金のない若い人が使うもの」などネガティブな印象があったからだ。
ただ、その状況は変わり始めている。