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マネタリーベースを増やせば市中に出回るお金の総量(マネーストック)が増加してインフレ期待が高まって需要が増えて経済が成長する、だからインフレ率2%を目指して2年でマネタリーベースを2倍にする、という短期決戦で始めた黒田日銀の極端なリフレ策。2年で達成できなかったら責任を取って辞めるとまで仰ったリフレ派の副総裁をはじめ、異端と言われた政策に絶対の自信を持つ委員も多かった。
爾来8年半。マネタリーベースは4.4倍の660兆7千億円に増えましたがインフレ目標の達成は程遠く、当初描いた道筋が空論に過ぎなかったことは最早明らかです。しかし、デフレを怖れる日銀は今なお量的緩和の看板を下ろさず、政策はずるずる長期化して今日に至っています。とはいえ宣言した通りマネタリーベースを増やし続けるわけにはいかないので編み出されたのが長短金利操作付き量的質的金融緩和です。
モノの値段も金利も需要と供給の関係で決まるのが原則です。だから中央銀行がコントロールできるのは金利か通貨供給量かのどちらかで、金利を目標にするなら通貨の供給量は従属的にするほかないですし、量を目標にするなら金利は市場に任せるしかありません。だから金利操作付き量的金融緩和は本質的なところで矛盾をはらんでいます。2016年頃までのマネタリーベースの増加は当初の意図に基づく主体的なもので、その後の増加は政府が大量に発行する国債の金利を抑えて消化を容易にするための受動的なもの、そして最近の増加は「コロナオペが導入された前年の反動」とある通り、コロナ禍で高まった後ろ向きの資金需要への対応が主体です。そういう意味で、今は金利が抑制されているかどうかが注目点で、マネタリーベースの動きは従属的なものに過ぎないように感じます。
とはいえ、資産規模の拡大は中央銀行の信用失墜と機能不全の予兆と見做されることなきにしもあらず。目を離すわけには行かない数字です。(・・;