[ワシントン 24日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は24日、たとえインフレ率が目標の2%をやや上回る状況になっても、連邦準備理事会(FRB)は金融緩和の解除に「極めて辛抱強く」あるべきだとの考えを示した。

総裁は講演で「早い時期に利上げすべきとの主張には非常に違和感を覚える」とし、「政策目標に向け十分な勢いがついたと一段の確信が持てるまで、利上げを遅らせる方が望ましいと思う」と述べた。

利上げによって景気回復を頓挫させることが、FRBが直面する最大のリスクと指摘。利上げ開始後も、FRBは経済が持ちこたえられることが可能か見極めるため、当面は比較的緩やかに進めるべきとの見方を示した。

さらに、インフレ鈍化やデフレ対処で苦悩してきた欧州や日本の状況に言及し、FRBが利上げに慎重に対応していく必要があることを示していると強調した。

労働市場にはかなりのスラック(緩み)が存在するとしたほか、インフレ率が目標の2%に向けて確実に上昇するのは、完全雇用に達した後と予想した。

また、インフレ率が急上昇する公算は「極めて小さい」としたうえで、インフレ率が一定期間、目標を小幅上回ったとしても、経済に多大なコストをもたらすことないとの見解を示した。

エバンズ総裁は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持っていない。