[東京 31日 ロイター] - 31日朝に投票が始まった第49回衆議院選挙は、午後4時現在の投票率が前回を0.48ポイント上回った。岸田文雄政権は勝敗ラインを与党で過半数(233議席)に設定したが、自民党が単独過半数を維持できるかが焦点となる。

総務省によると、午後4時現在の投票率は26.78%。前回2017年の26.30%をわずかに上回った。同省がこの日発表した期日前投票者数は2058万4857人で、前回より約80万人減少。有権者全体に占める割合は19.49%と、前回の20.15%から0.66ポイント低下した。

午前に都内の投票所を訪れた医師の男性(41)は、「コロナ対策の継続性を考えると、現状の政権の継続ということを求めていきたい」と話していた。会社員の男性(59)は「ストップ・ザ・自民、それに尽きる。アベノミクスは富裕層ばかり豊かにした。菅(義偉)政権のコロナ対策も後手後手だった」と語った。

投票は一部地域を除き午後8時に締め切られ、即日開票される。

国内報道各社が実施した選挙戦中盤から終盤の情勢分析の多くは、自民と公明を合わせた与党では過半数を確保すると予想している。しかし、自民単独での過半数獲得については判断が割れている。23─24日に調査を実施した朝日新聞は「大きく上回る勢い」、26─28日に実施した読売新聞は「微妙な情勢」としている。

自民党のある幹部は「実質的勝敗ラインは単独過半数」と話す。「割れれば幹事長など執行部の責任を問う声が出る可能性がある」と語る。

自民党が単独過半数を割り込むと、公明党の発言力が強まり、岸田内閣は外交や安全保障政策をはじめ、難しい政権運営を迫られる可能性がある。

4年ぶりとなる今回の衆院選は新型コロナウイルス対策や成長と分配などが争点で、定数465議席(小選挙区289、比例代表176)を争っている。野党は立憲民主、共産、社民、れいわ新選組が共通政策で合意し、これとは別に立憲民主と国民民主が政策協定を結び、結果的に213の小選挙区で候補者の一本化を進めた。

*公示前の議席数は以下の通り(NHK)

政党名 公示前

自由民主党 276

公明党 29

立憲民主党 109

日本共産党 12

日本維新の会 11

国民民主党 8

社会民主党 1

NHK党 1

れいわ新選組 1