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これに対して、EUは、米国産のタバコ、トウモロコシ、オレンジ、ハーレーダビッドソン、バーボン、等々に50%の関税をかける、という対抗措置を用意しました。
金融とITだけでは米国民の雇用を広く創り出すためには到底足りず、製造業で世界的な中心に返り咲かねば、米国民が格差なく所得を確保できるようにはならない、これはバイデン政権にとっても変わらない課題です。
バイデン政権が大規模なインフラ再整備でやりたいのも、鉄鋼をはじめ、米国の製造業を立ち直らせることです。
ただ、鉄鋼もアルミニウムも、今や全世界の過半を生産しているのは中国です。EUも米国の倍くらいは生産していますが、結局、中国からのサプライチェーンを断ち切らないと、米国の製造業復活は無理です。
2019年だと、
鉄鋼:全世界 19億トン
中国 10億トン
EU 1.6億トン
インド 1.1億トン
日本 1億トン
米国 0.87億トン
アルミニウム: 全世界 6400万トン
中国 3600万トン
インド 370万トン
ロシア 360万トン
米国 110万トン
ともかく、米国がEUと争ったところで、米国の製造業が立ち直るわけではありません。中国については、まともに競争しても米国製造業に勝ち目はないので、通常ではない手段がとられるでしょう。
米国とEUの間の合意は、米国によるEU産鉄鋼とアルミニウムへの関税はそのまま、ただし輸入量を増やす。EUは、米国製品への関税は50%ではなく25%にする、ということになりそうです。
米国がEUから輸入する鉄鋼に追加関税を課し、EUが報復措置を発動して対抗していた通商紛争を終結させることで合意しているそう
「米、対EU鉄鋼関税を一部免除 貿易摩擦「妥協案」で合意 バイデン政権」(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN3100C0R31C21A0000000/