[ワシントン 28日 ロイター] - 米商務省が28日発表した2021年第3・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で前期比2.0%増だった。新型コロナウイルス感染の再拡大が世界のサプライチェーン(供給網)を一層圧迫し、自動車などの商品不足が消費支出を抑制する中、第2・四半期の6.7%増から大幅に減速し、約1年ぶりの低い伸びにとどまった。

市場予想の2.7%増も下回った。

BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サール・グアテリ氏は「米経済は障害にぶつかったが、成長は今四半期に加速する見通しだ」と述べた。

在庫変動は777億ドル減と、前四半期の1685億ドル減からマイナス幅が縮小。供給の制約に伴う在庫の切り崩しペースが幾分減速している兆候を示し、GDP伸び率押し上げに2.07%ポイント寄与した。しかし、自動車の不足などを背景に、在庫は引き続き弱い伸びにとどまっている。

在庫を除く最終需要は0.1%減だった。

米経済活動の3分の2以上を占める個人消費は1.6%増にとどまり、前四半期の12%から減速した。

耐久消費財への支出は26.2%減少。自動車がGDPの伸びを2.39%ポイント下押しした。また、感染力の強いデルタ変異株の流行が旅行や外食などのへの支出の伸びを抑制。サービスへの支出は7.9%増と、前期の11.5%増から減速した。

FRBが物価の目安として注目するコア個人消費支出(PCE)価格指数の伸びは4.5%増加した。前四半期は6.1%増加していた。

成長率は低い伸びにとどまったものの、米連邦準備理事会(FRB)が11月に量的緩和の縮小(テーパリング)を開始する計画に変更はないもよう。