Sequoia dramatically revamps its fund structure as it looks to rethink venture capital model
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注目のコメント
地味ですが、非常に興奮する内容です。
こちらの記事では主にSequoiaのストラクチャー変更に力点が置かれた説明がされていますが、AXIOSの記事(後掲)だとその背景がより詳細に解説されています。
特に同社パートナーの以下コメントは大変共感します。
「IPOの前夜になると、創業者たちは、私たちが取締役会を抜け出して、すぐに株式を分配しなければならないのではないか、という奇妙な力学を生み出しています。特に、多くの価値創造が後から起こるのに、なぜそれがデフォルトでなければならないのでしょうか」
4年前から「スタートアップ」という言葉を「未上場成長企業」といった枠組みで捉えるのではなく、上場後も含めて捉え、IPO後も継続成長するスタートアップを輩出することが新産業創出において重要だと唱え続けてきました。
ポストIPO・スタートアップの時代
https://newspicks.com/news/2461861
こうした課題意識がシリコンバレーでも共有されていることを感じた次第です。
こうした課題の解決のためには、ファンドの期限の制約や、未上場/上場を跨いだ投資枠組が実現できるかが重要なポイントになります。
期限の縛りや未上場/上場といったポートフォリオの制約がなくなれば、投資家側が早期の上場を促す必然性もなくなり、また上場後の継続成長を目指すことが共通のインセンティブになるため、事業成長というより本質的な課題にステークホルダーの目線感が集約できます。
そのうえで一番のネックになるのがLPの合意です。未上場株と上場株ではアセットクラスが異なり、アセットオーナー側の観点からはなかなか受容しにくい内容ではあるのでしょうが、この点、Sequoiaの新たなスキームが機能するのか、非常に気になる点です。
こうした枠組みが、日本でも作り出せるといいのですけどね。
Scoop: Sequoia Capital just blew up the VC fund model
https://www.axios.com/sequoia-capital-fund-venture-capital-model-36425923-deff-430e-9945-09b0ccb69c78.html新しい技術・ビジネスモデル・マインドセットにより様々な業界がディスラプトされていますが、VC業界も例外ではありません。海外ではクラウドファンディングによる調達も多いですし、PEのレーターステージへの進出、VCにおけるAIを活用した投資等VCのランドスケープも変わってきています。むしろ、時代の最先端の技術に投資を行なっている割には業界の変革が遅かったVCですが、今まさに大きな変革の時を迎えようとしています。
SequoiaのOpen ended fundへのシフトは、変化する市場への対応と言えるでしょう。以前と比べ、IPOを急がないスタートアップが増えている中、VC業界のデフォルトである「存続期間10年+2年」というのは時代に合わなくなってきてます。また、IPO後はマーケットからの資金調達が比較的容易になるため、成長へのドライバーがかかり、大きく成長する可能性があります。早期にEXITすることで利益を損ないかねません。
今回のシフトは、起業家フレンドリーであり、投資家フレンドリーでもあるため、追随するファンドも多く出てくると思います。日本のVCが追随するかどうかも含め、非常に興味深いです。