安保技術提供、留学生は許可制に 大学からの流出懸念
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注目のコメント
これまで技術流出対策として抜け穴になっていたもの埋めるだけの当たり前の対応。大学の現場がこれまで放置していたのは事実だが、この記事は専門家のコメントも含めて不正確。
例えば、規制対象の技術は外為法の規制対象で明確になっている。
国際的な枠組みに基づかずに規制対象を決めても他国から流出していては意味がない。米国でもAIなど14分野の技術リストについて実際の規制対象にするのは、他国の技術保有状況をみながら極めて抑制的、限定的に進めている。あたかも14分野で輸出規制を強化するかの記述は正しくない。
また留学生の受け入れや研究そのものを規制しているわけではなく、研究に響く懸念もあるとの指摘も的外れ。
正確に伝えられない結果、不必要な反発が起こらないことを願う。
psちなみにここでのコメントでもこの制度の内容を理解せずに、留学生が来なくなるといった類いのコメントが見られますが、どういう行為が許可制の対象になるかなど、きちっと制度を押さえてからコメントすべきです。政府が本格的な安全保障に関わる技術流出対策に動き出しました。最も懸念されている大学では、外国の留学生や研究者の受け入れのチェックはほぼザルの状態でした。文科省を含めた大学側が経済安全保障面でのこれまで以上の対策が求められます。
報道にあるような産業スパイ目的での入学ならば「入学不許可」は当然でしょう。しかし、学んだことを「事後的に職に生かす」という一般的な目的で入学する方について入学時に特定することは不可能ですし、制度もその点までは求めていません。入学時点では純粋な学生であった方でも、その技術を欲しいと考える外国の研究機関や諜報機関に就職するといった事後的な動きは基本的には止められません。その分野には「外国人を入学させない」というほどのことをしないと効果はないでしょう。
しかしこれは劇薬で、実施すれば学問の鎖国につながりかねません。当該領域におけるすべての留学生を対象にした場合は日本が国際競争に参加できず、大切な技術情報が入ってこないリスクも負わねばなりませんので、現実的ではないと思います。研究者同士のコミュニティーにも参加できなくなります。そうすると国内外の研究者は最初から外国を指向するだけになります。(報道でもそうするとは書かれていません)
米国のIT産業の発展は、米国に留学したインド系の方が米国にとどまって発展させた貢献が知られています。これと同様に「日本で学び、高い技術をもった方」を日本で雇うことが大切ですが、硬直した人事制度や大方の先進国や中国・韓国などと比べて当該職種で見劣りする待遇ではそもそも来てくれません。日本企業が能力のある方をリクルートすべきところ、実際どう使ってよいかわからず、博士レベルの人材を使うことが出来なければ日本人ですら外国に職を求めるわけですから、この対策についてはどう考えるのでしょうか?
現状では、単に入学時の規制が強くなれば留学生そのものが減少し、あとは何も変わらなかったということになりかねません。特に国立理科系は、近年は大学院博士課程入学者に占める割合に外国人が増えています。日本人の人口が減少しているだけではなく、日本人が博士後期課程への進学にリスクを強く感じ、修士終了後は就職を志す方が多くなったことが理由です。一方、ほとんどの外国は博士学位取得者(特に技術系)を厚遇しており、博士後期課程の人気が高い状況にあります。それが影響しています。