[ソウル 26日 ロイター] - 韓国中銀が26日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、前年比4.0%増と大幅に鈍化した。輸出は堅調だったが、内需や建設・設備投資が低迷した。

市場予想の4.2%も下回った。第2・四半期は6.0%増で、10年ぶりの伸びだった。

季節調整済み前期比では0.3%増加で、こちらも第2・四半期の0.8%増から鈍化して5年ぶり低水準。ロイターがまとめた市場予想は0.6%増だった。

GDPの約半分を占める個人消費は、第2・四半期の3.6%増から0.3%減に縮小。建設投資も3.0%減、設備投資は2.3%減となった。

一方、輸出は半導体や石油製品などが好調で、1.5%増に回復。第2・四半期は2.0%減だった。

洪楠基(ホン・ナムギ)企画財政部長は「第3・四半期に続いた社会的距離措置の強化、猛暑や原材料価格上昇の影響で、内需の回復は限定されたようだが、輸出が景気を下支えしているようだ」と述べた。

中銀の高官は記者団に、8月時点の予想との乖離はあまりなかったと指摘し、第4・四半期のGDPが前期比1.04%増となれば、通年で4%の成長率が達成できると述べた。

中銀は通年の成長見通しを4%としている。昨年は0.9%のマイナス成長だった。

ソシエテ・ジェネラルのエコノミスト、オ・スクテ氏は「輸出と製造業の短期見通しは、世界的な供給のボトルネックへの懸念が持続しているために悪化する可能性が高い」と指摘。一方で「(新型コロナウイルス)ワクチンの接種進展を受けた制限緩和で、第4・四半期の成長率は穏やかに持ち直すとも予想している」と述べた。