2021/10/28

【解説】恒大集団の危機は、まだ「序章」に過ぎない

NewsPicks編集部
恒大集団の問題は、まだ終わっていない──。
経営危機に陥っている中国不動産開発大手の「中国恒大集団(エバー・グランデ)」。
同社の株式はしばらく取引停止が続き、10月21日に取引が再開されたものの、ドル建て社債の金利支払いの遅延が続くなどデフォルトの危機が高まっている。
しかし、株式市場は恒大問題を織り込み、ビジネスパーソンの間でも「終わったこと」として処理されつつある。
本当に恒大問題は、ひと段落したのか。中国の不動産業界に、問題はないのか。
「恒大集団の問題は、足元の問題だけでなく、将来を見据えた試金石にもなる」
こう指摘するのは、長年、中国の不動産業界をウォッチしてきた三井住友トラスト基礎研究所海外市場調査部の安田明宏主任研究員だ。
問題を生んだ背景と、中国不動産業界が抱える課題を聞いた。
恒大問題を忘れつつあるビジネスパーソンにこそ、ぜひ一読してほしい。
INDEX
  • 不動産という「灰色のサイ」
  • 住宅需要が、止まらない
  • アクセルとブレーキの難しさ
  • 経営危機を加速させる「竣工リスク」
  • 中国政府の持つ「打ち手の小槌」
  • 「恒大問題」は今後の試金石

不動産という「灰色のサイ」