NATOが新技術開発へ基金 中ロに対抗、1300億円

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• 塩崎 悠輝

  静岡県立大学国際関係学部 准教授

  ・2021年10月23日

  NATOは、30カ国の軍事同盟ですが、ベルギーにあるNATOの事務局はそれほど予算があるわけではありません。加盟国は、自国の国防費の0.3%をNATO事務局予算として拠出することになっています。つまり、年間3000億円程度の予算です。
  　何かNATOとしての共同プロジェクトをする時は、別に各国が拠出することになっています。例えば、アフガニスタン政府軍育成とか、サイバー防衛とか、海賊対策とか、個別のプロジェクトごとに各国が数億円程度拠出しています。
  　このNATO共同の新技術開発というのも、共同プロジェクトの1つということになります。
  　米国の国防省の年間の研究開発費は10兆円くらいありますから、それに比べればわずかなものです。米国は、基本的には軍事技術は自国で研究開発します。ただ、30カ国ある加盟国も巻き込んだり、支援することは、将来的に兵器を共有（輸出）するうえで、下準備になります。