米、混合接種を容認=モデルナ、J&J製も追加対象―新型コロナ
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ブースター接種で、最初と違うメーカーのワクチンを打つ「交差接種」の研究結果が、NIHから出たようです。組み合わせによって「抗体量」に差が出るようです。日本はJ&Jが未承認ですが、交差接種を考える上で、視点のひとつになると思います。
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モデルナのブースター接種は、2回目の接種から少なくとも6か月が経過している場合に行われ、半量のワクチン接種を受けることになります。
ファイザーの場合と同様、対象となるのは65歳以上の人、および持病や職種が理由で重症のCovid-19のリスクが高い人です。
一方、Johnson&Johnsonのワクチンは、日本では使用されていない1回接種で良いとされてきたワクチンですが、初回の接種から少なくとも2か月後に2回目接種の対象となることが発表されています。
また、報道の通り、J&Jからファイザーやモデルナに切り替えるといった、いわゆる”mix and match”戦略も許可されました。日本で関心の高いモデルナ社製については、以下の経緯で判断がされています。
FDAの諮問委員会は19人の委員全員が、2回目の接種から半年以上が経過した人に対する3回目接種についての緊急使用許可を支持しています。接種量は、1,2回目の半量です。対象となるのは65歳以上の高齢者と、18~64歳で新型コロナの重症化リスクが高い人、および18~64歳で職場などで新型コロナの合併症や重症化リスクにさらされる環境にいる人などです。
日本では、独自の臨床試験による判断基準をもたず緊急使用という扱いがないことから、米国での3回目接種の決定通りに正式な薬事承認がなされると思います。
米国は2020年12月中旬にファイザー社製について、直後にモデルナ社製について最初の緊急使用許可を認めています。それから約10カ月経過していることから、現在早い方で、両ワクチンの2回目の接種後8~9カ月経過している方が現れ始めているということになります。
ワクチン接種後の中和抗体の減少は、各ワクチンとも6カ月以降で見られており、新型コロナウイルスの免疫獲得の性質は、はしかなどのような終生免疫ではなく、インフルエンザのように毎年追加していかないといけないタイプであることも明らかになりつつあります。
変異株は、高いレベルの抗体を維持することで対応できる可能性が高いことから、2回接種後に低下する免疫の獲得が課題になっていました。そこで、最初に臨床試験に参加していただいた方(2020年8月頃~)の一部の方をリクルートして3回目接種の臨床試験を実施し、良好な結果を得ていました。しかしながら、3回目接種後のデータは長くても2~3カ月集積した段階で、長期にわたりどうなるかはわかりません。通常この段階では、医薬品が承認されることはないのですが、新型コロナウイルス感染症は、蔓延時のダメージが極めて大きいため、米国はこれまで緊急使用許可を出して、ワクチンの接種をサポートしてきました。
現在、ウイルス蔓延に対して一定の抑制がみられているのは、ワクチンの効果であることは間違いないでしょう。そのような背景から、長期データは不十分ながら、米国ですでに正式な薬事承認を得ているファイザー社製・モデルナ社製に加え、J&J製のワクチンに対しても3回接種の緊急使用許可を出し、公衆衛生上の対策を優先したいという考え方がよみとれます。