少量接種で効果?新コロナワクチンの治験開始 来年の実用化めざす
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この間ガイアの夜明けでレプリコンワクチンの開発に関するものを見たのですが、これ500mlペットボトルの半分ほど(確かそう)の量があれば全国民にワクチン接種ができるらしいです。
実用化楽しみです。mRNAワクチンに懐疑的な人にも効果的なのではないでしょうか?
注目のコメント
VLPセラピューティクス社が開発中のワクチンは、2021年10月中旬にはじめてヒトに投与され臨床研究のスタートラインに立ったことを意味します。まずはこの臨床第1相試験でごく少数例の健康な成人男女に対する安全性と医薬品としての基本的な役割(中和抗体の増加)が確認される必要があります。
開発中の自己増殖型(レプリコン)と呼ばれるmRNAワクチンの作用機序に「自己増殖」があるなら、この部分の安全性確認は相当慎重に行われるはずです。クリアできればワクチン開発のバリエーションを世界に提供できるという意味で貢献になるでしょう。国内のワクチン開発に新たに1候補が加わったことについては期待しています。
投与量の削減効果が「生産量が少量ですむ」ことのメリットしか思いつかないなら医薬品製造の点では貢献するとまでは言えず、この部分での差別化が受け入れられるのかは疑問です。
新型コロナワクチンの臨床試験は、既存のワクチンが出ていることにより、ハードルが上がっています。ワクチンの効果が確立していなかった時点であればワクチンとプラセボ(偽薬)が半数ずつ割り付けられた「二重盲検比較試験」の実施ですみました。ファイザー製やモデルナ製の場合はこの方法で実施され、最終的にはワクチンとプラセボ合わせて4万例弱の接種者で臨床効果(実際の感染抑制)と、この約2万例弱での安全性の傾向が確認されています。このレベルを満たしてFDAの「緊急使用許可」が取得できました。
現在のワクチン開発については、人道上の理由からプラセボとの比較はできないと思われるため、新ワクチンと従来ワクチン(ファイザー製やモデルナ製)の二重盲検比較試験で「非劣勢(劣らない)」が示されることが、世界での承認の条件になると思われますので、ハードルは低くないと思われます。
一方、過去に臨床効果(実際の感染抑制効果)を示さずとも(臨床検査値の変化のみでも)、また欧米のように多数例の臨床試験を実施せずとも、日本では薬事承認を認めるとの方向性が報道されていました。その場合早期の薬事承認はできますが、高いレベルでの安全性確認もできず、おそらく世界からは日本でしか使えないローカルのワクチンに位置づけられますので、実施可能性に疑問があります。
その様な状況で、特別なプランを示さず、「来年の実用化」と発表している点についは具体性に欠けています。VLP Therapeutics(VLPセラピューティクス)の赤畑代表は感染症ワクチン開発のスペシャリスト。京大ウイルス研究所の速水正憲教授のもとでHIVワクチンの研究開発などに携わっていました。
その後、米・国立衛生研究所(NIH)のワクチン研究センターでの勤務や、蚊に刺されてウイルスに感染するチクングンヤ熱のワクチンなどを開発しています。