2021/10/20

【新潮流】Z世代が語る、若者の投票率が低い根本理由

NewsPicks 記者
日本の若者の状況は、厳しい。
国税庁によると、2019年の20〜24歳の年間の平均給与は264万円で、20年前からおよそ20万円下がった。社会保障の負担が増えていることを踏まえれば、手取り収入はさらに減っているだろう。
社会保障においては、少子高齢化による世代間格差が叫ばれ、現在の若者が将来受けられる給付は、今より少なくなる可能性もある。
極めつきは、気候変動だ。この影響は若い世代ほど、大きくなるとされている。
欧米ではこうした状況に若者が怒り、左派が勢力を伸ばす「ジェネレーション・レフト」現象が起きているが、日本の若者にそうした兆しは見えない。国政選挙への投票率も、20代は30%程度にとどまり、上の世代より低い。
能條桃子氏は、慶應義塾大学大学院で経済学を学びながら、「NO YOUTH NO JAPAN」という団体で若者の政治参加を促す活動をしている。彼女自身も、1998年生まれのZ世代だ。
そんな彼女は、現状の日本社会、政治をどう見ているのか。率直に語ってもらった。
(写真:NO YOUTH NO JAPAN 提供)

政治は有権者の「鏡」

──2019年7月から、NO YOUTH NO JAPANという団体で、若者の政治参加を促す活動をしています。
能條 当時は、ちょうどこれから第25回参議院選挙が始まる、というタイミングでした。日本の若者の投票率を上げたいと思い、その第一歩として、友達に投票してもらう方法を考えました。
その中で、若者の多くが投票しないのは、選挙や政党に関する情報を集めづらいからではないか。インターネットで検索すれば、政党や候補者のホームページはヒットしますが、そもそもたどり着かない人が多いのではないかと考えました。
そこで、若者がよく使うSNSを使うインスタグラムで選挙の論点や、若者が投票にいくべき理由を図解して投稿したのです。
すると、あっという間にフォロワーが1.5万人にもなりました。
「若者は政治に無関心だ」とよく言われますが、実は、多くの若者は政治の情報を求めていることに気付かされました。