ASEAN、ミャンマー軍政を首脳会議から除外へ=関係筋
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いくつか理由はありますが、
・ASEANは、議長国ブルネイの副外相を特使として8月に任命、ミャンマーに派遣して、国軍側、国民統一政府側双方と会談して、和平に向けた仲介を進めるはずでした。
しかし、この特使はまだミャンマーに入国できていません。今週も現地入りしているはずだったのですが、キャンセルになりました。国軍側と条件が折り合わないのでしょう。
・ヨーロッパ議会が、国民統一政府が唯一の正統政府であると認める決議を可決する等、欧米諸国では、国軍政権の正当性を否定し、国民統一政府を承認する方向に進んでいること。
・ASEAN諸国のミャンマーについての方針は、中国政府の意向が反映されているところが多いですが、中国政府は別に国軍を積極的に支援しているわけではなく、国軍も含めて弱体化させて中国が実質的に掌握できる地域が増える方が望ましいこと。
・ミャンマー内戦の推移。どちらかといえば、国民統一政府有利で推移しています。個別の戦闘の勝敗よりも、国軍から脱走して国民統一政府側に加わる将兵、警察官が増え続けています。正式発表前の情報筋をソースとしたニュースのため、やむを得ないかと思いますが、重要なnon-politicalな代表が参加するという点が省かれてます。今のミャンマーでnon-politicalが成り立つのかという議論がSNSで既に出ており、確かにそうだと思う反面、どちらかに寄りすぎていないぐらいの人物はまったくいないこともないかもしれない、とも思います。
下記を参照。
S'pore supports Asean move to invite non-political Myanmar representative to upcoming summit
https://www.straitstimes.com/asia/se-asia/singapore-supports-asean-move-to-invite-non-political-rep-from-myanmar-to-its-summit
ASEANがなにもできていないと批判するのは簡単ですが、ミンアウンフライン総司令官を首脳としては、とうてい呼べないなか、ミャンマー不在とはしない、もう一つの策をひねり出し、完全な孤立をさせないという姿勢は、ASEANという国際組織による、土俵祭外交の妙と評価する方が地域安全保障、あるいはミャンマー情勢において建設的といえるのではないでしょうか。東南アジア諸国連合(ASEAN)は15日、オンライン形式で緊急外相会議を開き、10月26─28日に開催する首脳会議の出席者からミャンマー国軍のトップ、ミン・アウン・フライン総司令官を除外することで合意した。関係筋が明らかにした。
東南アジアの首脳が集まる会議から除外されたということは、事実上ミャンマーの政府を東南アジアの国の一部として認めていないということだと思います。アフガニスタンの例もそうですが、武力によって政権を得た政府は外交でうまくいっていない印象があります。これはそもそも武力によって力で政権を握ったことがあまりいい印象を与えないからだと思います。一方で、それはクーデターを起こす前から気づいていたことではあると思うので、元から外交に力を入れるつもりはないと思いました。