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Netflix's relatively simple business model involves only one business, its streaming service.
業種
動画配信サービス
時価総額
37.7 兆円
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正にその通りですね。黒澤明監督の映画が海外で高く評価されたのも、侍映画という、欧米から見たらキャッチーな物語に西部劇の要素を取り入れて、普遍的な作品に仕上げた点が大きいと思います。
>例えば、日本独特の企業文化を描いた『半沢直樹』を海外の人が見たら、「(半沢直樹が)会社を辞めればいいのに」と思われるだけで、物語の意味がなかなか伝わらない
ここもクスリと笑いました。うちの子どもたちも同じ感想を漏らしていました(母親が傭兵稼業なので)。
明石ガクトさんの分析は面白いですね。
たしかにアイディアは盗みとっているところもあるが仕上がりは似て非なるものといえます。
いつもの僕の持説ですが、「今際の国のアリス」は結局、テーマがなく出てくるのはただの友情や恋愛に過ぎず、「公」につながる契機がいっさいない。それに対して「イカゲーム」がエンタメでありながら世界から受け入れられているのは、ハリウッドのアカデミー受賞映画のようなシリアスな要素を組み込んでいるからだ。「私的」感情よりも「構造」が描かれている。
明石ガクトさんの指摘するキリスト教の世界観(ヨーロッパが近代をつくったのだから当然、世界はその文脈に支配されて動いている)を構造的に組み込んでいる物語が国境を超えた要素だろう。
(韓国はキリスト教徒が日本の創価学会ぐらいの比重でいると言われていますからそもそも信仰の根付き方も違います)。
「イカゲーム」は、韓国の格差社会の様相を、流行りのゲームに引っ掛け描いていて、格差を描く点では「パラサイト」と共通点があり、客を引っ張っていくやり方は「愛の不時着」のように巧みです。
日本の劇画はこれでもこれでもかというさまざまな新しい思いつきで競い先行したが、このままなら(私的な世界の空回り)たぶん行き詰まり、普遍的なテーマを設定できる韓国や中国やハリウッドにさらわれてしまうだろう。
この2つとも、岸田首相の演説が空疎で退屈と感じたときの暇つぶしにどうぞ。
こちらのほかに、もう一つ、聖書の出典まで遡った論評を映画評論サイトでみたのですが、みつからず。
https://eiga.com/movie/94385/review/02532219/
こちらは、韓国移民社会におけるキリスト教の重要性の視点を含めて解説したもの。
https://wired.jp/2021/03/31/minari-review-ikeda/
他方、韓国文化に詳しい伊藤順子氏はキリスト教的要素の強調は、必ずしも国内ではプラスにならないという指摘もしています。
https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/column/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%81%8B%E3%82%89%E8%A6%8B%E3%82%8B%E3%80%81%E9%9F%93%E5%9B%BD%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%81%AE%E7%B4%A0%E9%A1%94/13786/4
また、こちらは非常に深い韓国映画評論をしているチェ・ソンウクさんによる評論で、キリスト教的要素には触れず、韓国国内の視点からの評論。
https://www.cyzowoman.com/2021/04/post_334951_1.html
どの評論にも一理あり、こうした多角的で深い解釈を呼ぶところが、最近のグローバル市場に出てくる韓国映画やドラマの強みではないでしょうか。
ちなみに、私は、「イカゲーム」は、昨日のハンナさんの評論の通り韓国的要素をクリアに出しつつも、韓国だけでなく世界各地でも似たような格差などの課題があり、その共感がスマッシュヒットのベースにあると思います。「椿の花咲く頃」は逆に韓国文脈が非常に強く、国内最高峰の百想芸術大賞を受賞したことも頷けます。「イカゲーム」とは対照的に「椿」や「海街チャチャチャ」のような悪人要素がないドラマももう一つのトレンドと言えそうです(椿は若干悪人あり)。
>> そこで、どう差別化するかというと、「実行」のところしかありません。その部分に強い韓国コンテンツからは、もっと学んでいかなければと思っています。
ケニアで見た人に聞いたら、みんなコロナでさらに生活が苦しくなっているところ、ローンに追われる人達が一攫千金を目指すという設定に共感がわいたのだと語っていました。どうにもならない生活の苦しさ、そこから抜け出すことに目がくらんでしまう。。というのは、とても普遍的なのでしょう。
私も一応全部見てみて、それほど面白いと思わなかったのですが、それなのに俳優の演技の上手さ、演出のテンポの良さ、セットの豪華さにほだされて最後まで見てしまいました。コンテンツをしっかり料理できて深みを出せる、そういうところが、韓国ドラマの強いところですね。
韓国のコロナ対応の資料をみてると、集会の規制で宗教施設での集まりの規制が最初の方に出て来るんですよね、それくらい宗教との関わりが身近な国なのかなぁとかんじていました。
韓国は有宗教が4割で、その中ではキリスト教を信仰する人が最も多い国。欧米諸国と韓国が共有できて日本が難しいポイントはきっと宗教的背景なのかな?と感じることが多かったので、今回の解説はしっくりきました。
(有宗教4割のうち、プロテスタント45%、カトリック18%とあり、仏教35%とありますね)
https://m.korea.net/japanese/AboutKorea/Korean-Life/Religion
私からは以上です。