京大が霊長類研究所を事実上「解体」へ 世界的な拠点、研究資金不正の舞台
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霊長類研究所は、渋沢栄一の孫の渋沢敬三が、1967年、親しかった京大の今西錦司のために、名古屋鉄道からの資金を斡旋して設立させたものです。
愛知県犬山市にあるモンキーセンターも、同様の経緯で、名古屋鉄道の資金で今西錦司らの研究の場として創設されました。2014年には公益財団法人になりました。
霊長類研究所は、今西錦司の人脈と資金のあて、当時の日本で「日本独自の進化論」がもてはやされた、時代の背景によってできたものです。
日本のメディアの記事で、学術についての記事では、「世界的な拠点」とか「世界的権威」「第一人者」というような枕詞が適当につけられることが多いですが、だいたいはそんなことはありません。本当に世界的なトップ水準の研究者であれば、米国を拠点にしている場合の方が多いです。
今西錦司が、現代の生物学や進化論で、世界的に最重要な研究者と見られるということはないし、「日本独自の進化論」といえるような内容もありませんでした。従来からドイツなどにあった学説です。今は進化の研究は遺伝子研究がベースなので、そういうものが無かった時代の科学的根拠を欠いた主張でした。
なお、この記事で「研究資金不正の舞台」と書かれているのは、何かというと、サル用のケージ5億円相当を、本来競争入札で調達するのがルールなのに、実質的には1つの業者と話がついていて、相見積もりもその業者が他の業者と調整して提出した、というものです。
こんな程度のことは、日本中で行われています。ただ、その業者から、発注費の一部を還元させて他の研究経費に使用していた、ということも含めて、ルール違反ではあります。
要は、霊長類研究所はもうお荷物で、世界的に高い水準をする研究機関では無いのに、多額の研究費用がかかるから整理された、というのが実際のところでしょう。