コロナ禍で売上ゼロから評価額約8265億円へ、支出管理ツールに拡大したTripActionsの314億円増資にフィンテックが貢献
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注目のコメント
TripActionは私がQuartz Mediaにいたときに導入を検討したサービス。結局は、パンデミックでそもそもニーズが無くなったことで見送りましたが、TripActionが他サービスと決定的に違うのは、単なる出張予約のワンプラットフォームサービスというだけでなく、従業員が旅費規程で定められた金額以下で飛行機やホテルを予約するインセンティブスキームが入っていること。具体的には、例えば、会社の旅費規定として1泊のホテル費用が$200として、この$200を下回る金額のホテルを選択すれば、従業員にポイントが付与され、それらはアマゾンギフトカードなどに換金できるという仕組みです。この仕組みによって、従業員は予算内上限ではなく、より安いホテルや航空券を選ぶインセンティブが働き、会社にとっては、従業員が安く出張してくれるという会社と従業員がwin-winとなる関係を作っている点ですね。
実際にUIを触ると分かりますが、Trip Advisor等のサービスと同じようなことがTripActions上ですべての手配が出来ます。あらかじめ、会社の旅費規程をセットしておくことで、旅費規程内の飛行機やホテルしか選べない仕組みになっているので、会社としても安心。
そして、管理側画面では、全ての出張の詳細がワンプラットフォーム上で管理でき、かつ、従業員が世界中のどこに出張しているのかが一目で分かります。これは本当に便利です。
そのTripActionが支出管理領域にサービスを拡大したんですね。近い将来、会社名が変更になる予感。偶然、パンデミックの1カ月前に経費精算プロダクト「TripActions Liquid」を立ち上げていたそうです。大打撃を受けたタイミングで一気に経費精算のプロダクト開発にフォーカス。
出張手配から支出管理にピボット。
とはいえ、支出管理はBrexやRampなど名だたる競合がいる。差別化は従来の出張手配サービスで抱えていた顧客が大企業であること。BrexやRampは中小企業向けなので、カニバルことはない。