「アンモニア製造」に100年ぶりの革命
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注目のコメント
アンモニア製造というサイクルのみの観点で見ると、ご指摘の通りアンモニアプラントからはCO2が副産物として出ます。それを回収するために脱炭酸エリアが存在し、アミン系溶液で回収しています。ただ回収CO2は製品アンモニアと合成させて化学肥料にしたり、CO2として回収して産業用炭酸ガスとして使ったりします。溶接にも炭酸ガスは使いますし、炭酸飲料用用のCO2としても活用されておりますね。
ハーバー・ボッシュ法に代表される多くの「枯れた技術」を使うプラントや工場というのは、省エネや廃棄物の極小化などが既に取り組まれていますので、新技術のみならずそのような点もぜひ取り上げて欲しいですね。もちろん、プラント自体のライフサイクルCO2という観点で見ると、アンモニアプラントを製造・建設する中で膨大なCO2が出ることは事実だと思いますが。
追記
ちなみに数年前にも同じような記事がありましたね。皆さんのコメントも参考になりますね。こういうことができるのがnpの良いところ。
https://newspicks.com/news/3606861触媒の変化による進化、楽しみ!
化学の復習も兼ねて、ちょっと調べてみた。
反応式としては「N2+3H2→2NH3」。現在使われるハーバーボッシュ法は、Feを主成分とする触媒での反応で、N2(窒素)の三重結合を解くのにエネルギーが必要(原子番号が7なのでL殻で3つの共有結合することで安定する)。
触媒は、自身は変化しないが化学反応に必要なエネルギー(活性化エネルギー)を下げる物質。これまでに、ルテニウムなどが触媒として有用と研究されてきたが、完ぺきではなかった模様。細野氏が研究しているC12A7の化学式は、正しくは12CaO・7Al2O3で、カルシウムやアルミが入っている(セメントも色々な種類があるが、CaOやAl2O3が主成分)。このC12A7に、ルテニウムを付着させると、従来のルテニウム触媒と比較しても低い活性化エネルギーで合成できる模様。
HPを見ても、2012年くらいからペーパーが出ていて、10年近くこういう研究をされて育てられてきた模様。
https://www.jst.go.jp/pr/jst-news/backnumber/2015/201602/pdf/2016_02_p08.pdf
https://www.mces.titech.ac.jp/authors/hosono/
どこかでお名前聞いたことがある方だと思ったら、IGZO(液晶などに使われる酸化物半導体、シャープが特に使っている)の開発された方だった。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00864/072900006/このような方の研究がどのように科研費を得ていたか見てみると、なんとか、科研費をつなげてこのような成果に結びつけられたことが垣間見えます。
研究費切れで研究滞らず、よかったと思います。
https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000030157028/