[東京 12日 ロイター] - 日銀が12日に発表した9月の企業物価指数(CGPI)速報によると、国内企業物価指数(2015年=100.0)は前年比プラス6.3%だった。上昇率は前月の5.8%から拡大し、2008年9月以来13年ぶりの高い伸びとなった。世界経済の回復が続く中、国際商品市況の上昇などで上昇圧力がかかりやすい状況が続いている。

前年比上昇は7カ月連続。石油・石炭製品が前年比32.4%上昇した。9月の原油市況を反映して8月から伸び率を高めた。このほか鉄鋼が17.8%、化学製品12.7%、木材・木製品が48.3%、非鉄金属が同27.0%それぞれ上昇した。

744品目中、前年比で上昇したのは425品目、下落したのは229品目。上昇が下落を196品目上回った。担当者は「原油を中心とする国際市況の上昇を価格転嫁する動きや、海外需要につられた国内製品の価格上昇も続いている」と述べた。

同時に発表された輸入物価指数は、円ベースで前年比プラス31.3%と、1981年1月以降で過去最高の伸び。7カ月連続のプラスだった。

前月比はプラス0.3%だった。10カ月連続のプラス。主に電力・都市ガス・水道、鉄鋼、石油・石炭製品、木材・木製品、電気機器、金属製品、はん用機器などが押し上げに寄与した。

大和証券の末広徹シニアエコノミストは「原材料価格の上昇と為替の円安が輸入物価上昇につながっている。交易条件の悪化に伴う企業収益圧迫が懸念される」とコメントした。

(杉山健太郎 編集:内田慎一 グラフ作成:田中志保)