家庭教師のトライ、英ファンドが1100億円で買収
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今は買い時なのかもしれませんが、教育業界で働く側からすると、少子化が確実な中で将来性のある投資には思えません。
あと、基本的にAIと教育の相性は悪いです。
人に苦労させるのが教育で、人に楽させるのがテクノロジー(ここではAI)だからです。
中国で算数などの問題をスクショして送るだけで解法を教えてくれるアプリがありますが、自力で考える力の無い人間を量産するだけです。
教育者側の労働負担を減らす為にテクノロジーを利用するなら大賛成ですが、学習者に対して安易にAIでサポートするのは考えものだと思います。自分の頭で考えて、負荷をかけないと成長しません。
注目のコメント
学習塾はファンドが常に注目している人気分野です。
今後どのような戦略で事業を伸ばしていくのかが注目ですが、
通常だと例えば、
・競合者も買収し統合して規模を大きくすることでバリューアップをはかるロールアップ戦略
などがメインのシナリオになろうかと思います。
期待して見ています…!トライのEBITDAが80億円超、買収額が1100億円ということで、EV/EBITDAマルチプルが13倍くらい。企業買収としてはそこそこ高い案件という印象がありますが、CVCキャピタルは今後どのようにトライを変革していくのか、とても興味があります。
ところで投資ファンドのビジネスモデルは、買収して価値を創造して、買収した時よりも高い価格で売却することにあります。その株価上昇の方法論としては3つのアプローチがあると言われています。
①オペレーション改善。例えば古臭い経営手法の刷新だったり、テクノロジーの活用だったり、事業ポートフォリオの見直しだったり、PEファンドが入ることでマネジメントの方針に変化を生み、結果として収益性を向上させるというアプローチ。これがまずは基本。
②レバレッジによるアービトラージ。PEファンドが企業買収する際は、有利子負債を活用することが多いです。有利子負債は元金と利息の返済が固定的で、債権者のリスクを下げる分だけ、事業リスクは株主=PEファンドにしわ寄せが来ます。その分株主側はハイリターンが期待できるという構造。
③買収売却前後のマルチプルのアービトラージ。非上場企業の場合は非流動性ディスカウントなど、企業価値をマルチプルで測定される場合割り引かれることが多いです。そうした状態で買収し、上場にもっていけばその分のディスカウント分が解消されることで値上がりするというメカニズム。
記事にもあるようにDXやM&Aなどの試みで①を追求するのがやっぱり基本ではありながら、官報などを見ているとどうやらトライグループの有利子負債額は少ないと思えるので、②の効果も大きいでしょうし、数年後に上場を目指すという事なので③の効果もあるのではないかな、と思った次第です。
あとはオーナーが今後どのようにトライグループ経営に携わっていくのかも気になります。この機にExitされるのか、PEファンドと一緒にJVのような形で経営を担っていくのか。現実的にはホットイシューになるところではないかとも思います。オンライン授業なども展開するトライは、コロナ後も、伸び代があると思います。
オンライン教育を生業とする企業に、さらに注目されそうですね。