2021/10/12
【ルポ】「公共交通の電化」をリードする世界3都市の現在
INDEX
- 都市のBGMが変わった
- 都市交通は「気候変動対策の要」
- トラムを復活させたベルリン
- フィヨルドを走る電動フェリー
- 有権者の高い意識が後押し
- 天空のWi-Fi付きゴンドラ
- 都市が国家をリードする
都市のBGMが変わった
クルマのエンジン音は長い間、都市のBGMの一部だった。
過去1世紀、世界中の何十億もの都市生活者は、庶民はディーゼルエンジンを搭載したバスや、ガソリンで走るオートリキシャ(自動三輪タクシー)で、富裕層は自動車を使って移動していた。
だが今、静かな変化が起きている。
ドイツのベルリンやコロンビアのボゴタなどの都市では、公共交通システムでガソリンや軽油を削減するための独創的な取り組みが行われている。
各都市には独自の地理、政治、経済的な事情があり、それらが変革を困難にしているものの、それぞれが前に進んでいることは注目に値するだろう。
ベルリンは、ベルリンの壁の建設に伴って廃止されたトラムを復活させている。ボゴタでは、遠く離れた丘の上に位置する労働者階級の居住地域をつなぐために、雲の合間を抜けるロープウェイを建設中だ。
ベルリンではかつて廃止されたトラムが復活(Lynsey Addario/The New York Times)
ノルウェー西部のフィヨルドに近いベルゲンでは、公共フェリーをディーゼルからバッテリー駆動に移行している。何十年も石油と天然ガスの輸出で富を築いてきた国家にあっては、驚くべきシフトだ。
ベルゲンでは、公共バスの電化も進んでいる。車体を供給しているのは、ロサンゼルスやチリのサンチアゴなどに市場を持つ、中国の複数のバスメーカーだ。
こうした変化は、耳でもわかる。ベルゲンに県庁を置くホルダラン県の知事ヨン・アスケランドは、「街中で再び人々の声が聞こえるようになった」と話す。
ノルウェーのベルゲンで運航中のバッテリー式フェリー(Lynsey Addario/The New York Times)
都市交通は「気候変動対策の要」
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